梅雨も終わり夏が近付いてきました。外に出かけることが自然と増えていく季節です。愛犬を連れて山、川、海で楽しむ機会も多くなり、一緒にキャンプに連れて行く方も多いでしょう。
自然に囲まれて、愛犬との楽しい時間。ただ人間同様怪我を負う事もあり、万が一の場合に備えておく事も大事です。特にキャンプやハイキングの場合、動物病院が近くに無い・開いていない、あるいは辿り着くまで2時間以上かかる場合はその場で応急処置が必要になる事もあります。何かあった時に備えて救急箱を持っていくと良いでしょう。また犬用の救急箱といっても人に使える物も多いので何かあった時には安心です。
*これは応急処置の目的で動物病院にたどり着くまでの繋ぎです。怪我や症状が治ってもなるべく早く動物病院に連れて行って獣医さんに見てもらうことが必要です。
*使い方、成分等に不安な場合は獣医さんに相談してからご利用ください。
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生理食塩水
綺麗な水が無い場合、擦り傷や傷を洗浄するために利用できます。消毒効果はありませんが人間でいうマキロンのような使い方。ちなみにマキロンは舐めてしまう可能性があるので使わない方が良いでしょう。
添加剤が入ってないソフトコンタクトレンズ用の生理食塩水を使っている方も多く、私たちも使っています。コンタクトレンズ用だと口が狭い分ピンポイントで勢いよく傷を洗浄出来るのも良いですね。
基本消毒は獣医さんに任せた方が良いですが、状況によりどうしてもする必要があれば消毒用イソジン(うがい用ではない)ものを3-5倍に薄めて使ってください。
傷口を綺麗にする時や消毒する時、乾かせる為に使います。
ガーゼ
綺麗になった傷口を覆ってから包帯を巻くように使います。できれば滅菌のものをお勧めします。
ガーゼが動かないよう固定するのに使います。犬用包帯を上から巻く場合は巻く時動かない程度に留めるだけで十分です。
このタイプの包帯は何かと便利で自宅の救急箱にも多めに入れています。
ハサミを使わなくても手で切れるのに加えて、伸縮性もあるので動いても大丈夫。粘着包帯なので誤飲する可能性がある留め具等は必要なく、とても簡単に巻きつけて固定でき毛にも付かないので取り外しが簡単です。人間にも使えますのでお勧めです。ただ、犬の足の怪我等に使う場合、キツく巻きすぎると血が止まってしまうので緩めに巻くのがポイントです。キツく巻きすぎたサインとしては、血が止まって犬の足先が腫れてくるので巻いてからたまに注意して見ておきましょう。不安な場合は事前に獣医さんに相談してから使いましょう。
包帯を正確に切りたい場合やガーゼを切る場合にはもちろん、毛に付いた松ヤニや毛を巻き込んで取れないような物が付いた場合に毛を切り落とす為にも使えます。
ピンセット
人間同様トゲが刺さった場合に使ったり、傷口をきれいにする際綿球を摘んで使ったりします。マダニに使う人もいますが、慣れていない方はマダニには使わないでください。
ノミダニの薬を飲んでいれば自然と落ちますがどうしても取りたい場合はティックツイスターのマダニ取りがお勧めです。ピンセットや、効果のない熱いマッチ棒のやり方等よりは、はるかに安全かつ綺麗に取れます。ちなみに人間でも使えます。
体温計
調子が悪そうな時や熱中症の疑いの際判断材料の一つとして体温計があると便利です。もちろん異変を感じた場合は動物病院に連れて行くことが前提です。
犬の平均体温は37.5度から38.5度くらいです。1日の変動は±1度ぐらいで夕方はもともと高い時間帯です。もちろん、運動をした時や興奮している時は40度近く上がる犬もいますので、落ち着いてから(30分から60分)測ると良いでしょう。耳で測る体温計は便利ですが値段も高く、携帯に向かないサイズが多いので普通の体温計でも大丈夫です。その場合お尻に入れる必要があるのでプローブカバーも一緒に入れておく事をお勧めします。
捻挫、打撲、肉離れ、虫刺されや炎症を抑える際に使えます。他にも熱中症予防や体を冷やしたい時、アゴの下から首の間を冷やすと効果的です。脇腹や直接皮膚に当てる場合は凍傷を起こす恐れがあるので、タオルやガーゼで直接当たらないようにすると良いでしょう。
犬用爪切り
爪が欠けたりひび割れた時に使えます。もちろんキャンプ中に愛犬の爪が気になったら切る事もできます。
爪のひび割れや折れた時に出血を止めるための便利な医療品です。爪切りを失敗して深く切った場合も使えますのでお勧めします。他の軽い傷にも使えると言われていますが、個人的には爪専用で使っています。アウトドアを楽しむ犬には必需品と言っても過言では無い位お勧めです。
日本ではあまり流通していないもので、海外からの発送になるため届くまで1ヶ月以上かかる場合がありますので、早めに注文した方が良いかもしれません。
出来ればマヌカハニーがお勧めですが、天然の無添加の物であれば良いでしょう。
犬も人間同様エネルギーが切れる事もあり、一日中外で遊んだりキツめのハイキングに行ったりしてエネルギーが切れると、足取りが重くなったり座り込んだりしてしまいます。そう言う場合は、エネルギーを取り戻すために3g程度蜂蜜を上げる良いでしょう。一般的には要らないはずですが、ハードに運動する犬や冬に猟に出る犬とかには必要かもしれません。蜂蜜なので賞味期限も長いですし、もし使わなかったら飼い主自身が使えるのでお勧めです。
傷を洗う時や、薬や離乳食等を口から入れる時にあると便利なものです。
オキシドール 取扱要注意 獣医に相談必要
過酸化水素3%以下の物で添加物が入ってない、もしくは入っていても犬に毒ではない物に限る
最終手段として、食べてはいけない物や毒物を誤飲した時に吐かせるために使える物です。体重に応じた量を適切にあげる必要があり、あげすぎると中毒を起こす可能性もあるので事前に獣医さんに相談してから、止むを得ない場合のみに使用してください。
止むを得ない理由の例としては、例えばキャンプでうっかりチョコレートを犬が届く所に置いていて、気が付いたら全部食べてしまい、吐かせようとしても全く吐かず、さらに近くに動物病院が無く運転できる人がお酒を飲んでいて運転できない状況などであれば、シリンジを使って飲ませても良いと思います。効果は5分から30分以内に出てくるはずですが、吐かなくても追加で与えないでください。
上手く吐いた場合は犬がまた食べないよう速やかに嘔吐物を袋等で取り除いて、病院に直行してください。袋で取った物は場合によっては必要になりますので一応病院に持って行ってください。
効果がある分、欧米では吐かす注射の値段が高いということもありそれに頼っている方が多いです。しかし、まずそういう事が起きないよう、危険なものは犬が届かない所に置いたり未然に防ぐ事が何より大切です。日本では注射が安く、かつ注射は一番安全な方法なので、出来る限り動物病院に連れて行って注射を打ってもらう方が良いです。
これは本当に最終手段です。オキシドールを使う日が来ないと良いですが、もし使用する場合は自己責任でお願いいたします。
ソフトマズル
普段噛まない犬でも怪我をした犬は怪我を庇う為、噛んでくることがあります。特に怪我をしている箇所を触ると、痛さで触らないでというように噛んできたりするので、そうなるとなかなか応急処置が出来ず怪我が悪化する事もあります。その場合はソフトマズルをしてあげると落ち着いて治療にあたれます。代用品として犬用ガーゼを口に巻いてあげても効果はあります。
タオル
乾かしたり、ヨダレを拭いたり、瞬間冷却パックをカバーしたりとあると何かと便利
ゴム手袋
衛生面であると良いでしょう
ライト
怪我はいつも明るい時にするとは限りません。携帯のライトなども使えますが、動物病院に電話してる時などは使えませんし、明るさも不十分なことがあります。
虫眼鏡
薬の予備
普段から薬を飲んでいる場合は予備を入れておくと良いでしょう。
救急で万が一行った事のない動物病院に行っても何を飲んでいるのか見せる事ができるので安心ですね。
重要書類のコピー
(ワクチン、狂犬病、持病の薬手帳や薬の名前が掲載されてるレシート)
ワクチンのコピーなどを入れておくと緊急時に何かと便利です。例えば飼い主が怪我をして病院に行く事になったら、一時預かりやペットホテルに犬を預ける必要が出てくるかもしれません。その際、書類があればスムーズに受け入れ先が見つかります。仮に持病持ちの犬が怪我をしたら例え行った事のない病院でも書類が揃っているので、持病に配慮した適切な対応をしてもらえるはずです。
応急手当てマニュアル
万が一の場合に頼れるマニュアルを入れておけば、イラストや説明に沿って手当てを出来るので一度じっくり読んでから入れておくと良いでしょう。もちろん携帯を使って調べる事とか出来ますが、電波がない時や充電がなくなってしまった時でも使えるので安心ですね。
救急箱もしくはバッグ・ポーチ
丈夫で防水、なおかつキレイに全部まとめられる物がお勧めです。
以上となりますが、これを全部持って行くと大変なので季節、場所、アクティビティや用途別に入れるものを決めても良いと思います。スカイラボでは近場で1-2時間アウトドアを楽しむ場合は最低限の物を車に積んでいます。もちろん犬の性格や個体差により持ち物も変わってきます。例えば自分からよく藪の中へ入って遊ぶ犬はダニ取りを入れておくなど、自分の愛犬に合ったものを入れておくと良いでしょう。
ベースとなる最低限の物
生理食塩水
綿球
ガーゼ
サージカルテープ
犬用包帯(自着性伸縮)
救急医療用ハサミ
ピンセット
瞬間冷却パック
犬用爪切り
Stypticパウダー
ゴム手袋
重要書類のコピー
応急手当てマニュアル
これで登山とかになると蜂蜜やダニ取りを追加で入れたり、夕方川遊びする時にはタオルとライトを入れたりして、ベースとなる物は常時入れておくと良いです。
キャンプとかの場合は車に積んでおけば良いので全部持って行く事もあります。
人間用の災害用バッグなどがある場合は犬用と明記した入れ物に同じ物を入れて置くとなお安心ですね。自分の犬に使わなくても、一緒に行った友達の犬が必要とする場面もあるかもしれませんので、使い方等を覚えておくと安心です。安全に、万が一に備えて思い切りアウトドアを楽しみたいですね。
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