ドッグトレーナー が子犬を育てるPt5



今回のブログではフィオナは3ヶ月になったところです。今回はフィオナの初散歩について書きたいと思います。

その前に3ヶ月のフィオナについて。トイレは早い段階から決まった時間にするようになり、甘噛み・飛びつき・無駄吠え対策も迎えてからすぐ対応したので1週間ぐらいでおさまりました。

フィオナが3ヶ月になるまでに暮らしの中で「おいで」と「お座り」と「待て」を教えてきました。これからはその3つのコマンドが軸となっていきます。加えてこの3つは犬の暮らす中でとても重要なコマンドで、時には命を守るコマンドでもあるので、まだ教えてない方は早めに教えてあげてください。

ワクチンと散歩

3ヶ月といえば一般的に2回目のワクチンを接種する頃で、そこから散歩に行けるようになります。動物病院にもよってはワクチンを3回打つ所もあったり、更には狂犬病を打たないと散歩に行けませんという所もあり、最終的には生後5ヶ月まで散歩は駄目と言われる方もいらっしゃいます。散歩は社会勉強の場です。スカイラボではなるべく早く社会性を身につけるため3回打つ必要があっても2回目以降で散歩デビューしても良いと考えています。これに関してはアメリカの獣医師が世界の獣医に向けてオープンレター(英語)として理由を告げていますので是非一度読んでみてほしいのですが、ワクチンなどで防げる病気で亡くなる犬の数よりも社会性を身に付けていなくて起こる問題行動によって殺処分される犬の数の方が圧倒的に多いそうですまた、お散歩にまだ行けない時期でも抱っこをして大通りを歩いて車や人に慣れさせたり、ペット可のホームセンターなどに連れて行って、社会勉強をさせると良いでしょう。

フィオナは今回10種混合ワクチンを打ちました。ワクチンは2種から11種まで選べますが今後川や海に入る場合は8種以上がおすすめです。ワクチンの種類は犬種、環境やライフスタイルに合わせて適切なものを打つと良いでしょう。ラブラドールの場合は基本的に水が好きなので8種以上をお勧めしますが、基本家の中で飼って散歩だけにいく子は5〜7種がおすすめです。もちろん数字が多い分費用もかかるのでほとんど家の中で飼っている方は少なめでも良いと思います。

初散歩の為の準備

初めての散歩はお互いワクワクドキドキですね。

子犬にとっては初めて自分の足で新たな世界を切り開く時でもあります。今までは家の中や庭を中心に過ごしていましたが、散歩を始める事によりその世界がドンドン広がって行きます。

見た事のない物、聞いた事のない音や嗅いだ事のない匂いがいっぱいで、無我夢中で散歩してくれる子もいれば、怖がって腰が引ける子もいます。その反応は実際に散歩に出てみないと分からないのですが、意外な物にびっくりする事もあります。ここは社会性を伸ばすだけではなく飼い主との信頼関係作りやコミュニケーションの為の大事な時間ですので、大切にしてあげてください。

まず、散歩に出る前に散歩に必要な首輪とリードを準備しておきましょう。ここでハーネスや伸縮リードを最初から使ってしまうと引っ張り癖に繋がりかねないので注意してください。ただ、フレンチブルドッグなどの鼻ぺちゃ系の犬や、ケンネルコフや気管の病気を持っている子は逆にハーネスを使ってください。


ハーネスをおすすめしない理由は大きく5つあります。

1.引っ張り癖に繋がりやすい

ハーネスは元々引っ張るために作られた物で犬ぞりや犬用カートでよく使われています。そのため犬に負担は掛かりにくいのですが、お散歩の練習の際はそれが反対に犬を自由にさせてしまいます。基本的にハーネスは散歩が上手になってから使った方が良いです。

2.リードでの細かい指示が伝わらない

後ほど動画でも出て来ますが、散歩の時はリードで指示する事が多いです。馬の手綱のように微調整しながら行きたい方向へ促したり、リードを通じてお座りの指示など結構細かく指示をします。ハーネスと首輪を比べると、同じようにお座りの指示をリードを通して伝えても、ハーネスの場合は指示がハーネスの中で分散してしまい伝わりません。

3.拾い食いを止められない

ハーネスの構造上、拾い食いを止めるのは難しいです。特に大型犬となると犬の体重対腕の筋肉になるので散歩が大変になります。

4.散歩中取れる可能性がある

ハーネスの種類によりますが、犬の引っ張り方によって、するんと脱げてしてまう可能性があります。特に犬が後ろ向きに引っ張った時が一番抜けやすいので、大通り沿いなど車が多いところで抜けてしまうと危険です。

5.サイズの調整が難しい サイズが合わない大きいハーネスだと抜けてしまう事もありますが、反対に小さい、もしくは素材や設計がその犬に合わないとハーネスが擦れて出血したり毛が抜けてしまったりします。それに気づかず散歩に行こうとした時、犬はハーネスが痛いので拒絶したり、付ける時に噛まれたりするケースもあります。

伸縮リードをおすすめしない理由

1.散歩の時に歩く位置を教えにくい 最初から自由に行きたいところへ散歩に行ってしまうとそれが散歩だと思い、後で修正するのが大変になります。基本的に犬は先へ行きたがるので、それを許してしまうと犬が飼い主を散歩していると思い込んでしまい関係性が複雑になり、散歩も犬が行きたい方向へ行けなければ座り込んだり寝そべったりして抵抗したり、物凄い力で引っ張ったりして散歩がお互い楽しくなくなります。(伸縮リードが伸び切った状態で引っ張られると短く持つより何倍もの力がかかるので大型犬には向きません)

2.安全性が普通のリードより衰える 指がボタンに当たって間違ってリードが伸びてしまったりして、ひやっとする場面もあると思います。伸ばし切っている状態ではすぐ短く出来ないのも危ない所です。私が東京にいた頃、数メートル前でトイプードルを散歩していた女性が伸縮リードを2〜3m伸ばした状態で歩いていました。すると後ろから自転車が追い越して来て犬と飼い主さんの間を通ってしまい、リードが自転車に絡まって犬が吸い込まれるように自転車に引かれてしまいました。幸い命に別状は無かったのですが、トイプードルは足を骨折する怪我を負いました。その時自転車に乗っていた人はリードに気づかなかったと話していて、状況によっては細いリードが見えなくなってしまうのか…と突然の事故に心が痛みました。

ただ伸縮リードは、どうしても座り込んでしまう犬に対しては有効な道具でもあります。何より公園など広い場所で遊ぶ時に使うのには向いているので一つ持っていてもいいかもしれません。

伸縮リードを遊び専用にすれば、犬はリードの区別が出来るので、散歩なのか遊びなのか切り替えをすることができます。


散歩でのお座りが鍵

さあこれからフィオナとの初散歩です。まず散歩に行く前にリードを通しておすわりの指示を教えてあげましょう。

散歩中のお座りのコマンドはとても大事ですので、散歩に出る前に教えてあげた方が良いです。おすわりはただ座るだけではなく犬を落ち着かせる効果があり、引っ張りが酷くなって来た時、あるいは酷くなりそうな時に一度リセットさせる為におすわりをさせると落ち着きます。車や自転車が近くを通る場合や横断歩道を渡る時など、念のためお座りをさせてあげると落ち着くことができ、安全面でも安心です。

まず立っている状態でリードを優しくゆっくり一定の力で上にあげます。そこで子犬は違和感を感じて座ってくれるかもしれません。座ったらリードを緩めて、座った状態を保ったまま撫でて褒めてあげてください。もし撫でようとした時にまた立ち上がったら、もう一度優しく一定の力で上に引っ張り、座らせてから座った状態を褒めます。座った状態で褒められるまで繰り返し練習してください。

もし上にあげても座らない場合はお座りと言って座らして褒めてください。上に引っ張って前足が浮いたら引っ張りすぎの証拠ですので緩めてあげましょう。ここは力技でお座りをさせるのではなく、上に引っ張る感触=お座りのコマンドであることをしっかり教えてあげます。

それを数回繰り返してできるようになったら今度はちょっと歩いてからリードでおすわりのコマンドを伝えましょう。お座りしたら毎回褒める事を忘れずに!

ここで止まったらお座りを癖付けると、横断歩道で待っている間座ってくれたり、ウンチを拾う時座って待ってくれたり、道端で友人と話している時落ち着いて終わるまで座って待っていてくれたりしてくれるので、止まったら指示を出さなくても自然と座るように練習するとより良いです。

リードは力強く勢い良く引っ張ったりして使う物ではありません。特に子犬の場合、体がまだ成長途中で出来上がってないので、乱暴にいきなり引っ張ったりすると怪我をする可能性もあります。何より散歩が楽しくなくなり、飼い主への信頼が薄れてしまいます。リードを扱う時のイメージとしては、車のハンドルやペダルの操作の様に必要な分だけゆっくり正確に扱う事が鍵となります。力強く急にブレーキペダルを踏んだりハンドルを切ると車が制御不能になるのと一緒です。



これでリードを使ったお座りのコマンドが伝わる様になったので、いざ初散歩へ。

散歩をする時は犬を左側か右側か歩かせる場所を決めましょう。基本右利きの場合は犬を左側に歩かせ、左手でリードのコントロールをして右手でリードの持ち手を持ちます。

散歩する人が複数いる場合、散歩時に歩く位置は全員統一する必要があります。みんなが左側に犬を歩かせている中、一人だけ右側だと犬も混乱してどちらについたら良いのかわらからなくなり、蛇行して歩き始めたりしてしまいますので注意してください。

最初の散歩は環境やその犬の性格によって進み具合が違って来ますが、フィオナは意外とスイスイ進んでいきます。ここで大事なのは、なるべく歩いて欲しい位置に歩かせる事です。最初から自由に右左蛇行したり前に進んだり立ち止まってクンクンしたりさせてしまうと、それが散歩の仕方だと思ってしまいます。

そのため、散歩が上手にできるまではリードを短く持つことが重要です。どのくらい短く持つかというと、犬が歩いて欲しい位置にきた時ちょっとリードがたるむくらい、拾い食い出来ないくらいの長さで持ってください。歩いて欲しい位置から横や前に引っ張り出したらゆっくり力を加えながら元の位置に戻して、リードを緩めてください。こうする事により引っ張ると負荷がかかり、良い位置で歩くと緩む、ということを犬も学習してなるべくその位置で歩こうと努力します。これがハーネスだと負荷がかかりにくい分、伝わらないのです。

そうやって散歩をすればだんだん上達していき、早い場合は1週間で引っ張らない散歩ができます。

次に大事なことは、散歩は散歩してる人が主導権を持つ、という事です。

最初から犬を自由にいつでも立ち止まってクンクンできるようにしてしまうと、匂いを嗅ぐことが散歩の楽しみ方になり、なかなか進む事ができません。これが成長するとオス犬に限らずメス犬も含めてマーキング行為を促す事になり、酷い場合は数メートル歩く度ににおしっこでマーキング、あるいはウンチでマーキングする犬もいます。散歩はあくまで犬と飼い主のコミュニケーションの時間そしてトレーニングの場でもあります。可哀想だから自由にクンクンさせたい…という場合は、お散歩の時ではなくドッグランに行ったり、誰もいない河川敷などでロングリードまたは伸縮リードを使って自由してあげる事をおすすめします。

散歩ではもちろん排泄もしますが、排泄目的の散歩ではなく、ついでに排泄させるという意識を持ちながら散歩させてください。散歩の仕方としては、例えば30分散歩する場合、歩き始める前にトイレをさせて、念のため15分歩いた折り返し地点、もしくはいつものトイレの場所でトイレの時間を作ってあげてください。それ以外は寄り道なしで犬とのコミュニケーションを楽しみながら歩いてください。

ただ…

今回は子犬の初めての散歩なので、寄り道は多少しても良いと思います。特に初めて見た物に対して怖がったりしたときは。あえてそのものを理解するまで立ち止まってクンクンさせたりして構いません。子犬がそこで大丈夫だと思ったら、遊び出したり歩き出したりしますのでそれまで待ってあげましょう。

動画でもカラーコーンが道端に置いてあってちょっと腰が引けていたので、あえてそれに近づいて確認させてあげました。これも案外すぐ大丈夫だと理解して、結果あまり面白い動画が撮れませんでしたが…

基本を守って散歩すれば変な癖が付かず、お互いより楽しい散歩ができる様になります。



座り込んでしまった場合の対処方法

今までリードは短く持っていましたが、唯一長くして使うところはここです。座り込んだ場合、リードを長くしてなるべく遠いところからおいでなどと言って誘導してください。長くすると子犬と距離ができますので、子犬は置いていかれると思い急いで来たりします。例えそれで動かなくても、子犬は飼い主のそばに居たい気持ちが強いので、より動きやすいです。

ここで促すために一定の力で引っ張りますが、引きずらない程度で引っ張り続けてください。いつかは諦めて来ると思いますが、急いでいる場合は一定の力で引っ張りながらしゃがんで「おいで」と言えば来るはずです。足元にきたらいっぱい褒めて散歩を続行してください。

ここで絶対にやってはいけない事は抱っこです。歩かないからと抱っこをすると、犬はそれを学習して座れば抱っこしてくれると分かり、散歩がとても難しくなります。

おさらい

・リードと首輪を使う

・リードでのお座りのコマンドを教える

・止まったらお座りを繰り返す

・座ったら毎回褒める

・歩く位置を決める

・リードは短く持つ

・引っ張りが酷くなったらお座りでリセット

・犬の意思でクンクンや寄り道はさせない

・特定の物に対して怖がったら時間をかけて克服させる (マンホール、カラーコーン、のぼり、郵便ポスト等)

・座り込んだら一定の力で引っ張りつつリードを一番長くして誘導する

・走ったり自由にさせたい場合はドッグランや河川敷でロングリードや伸縮リードを使ってする

・散歩はあくまで犬と飼い主が一緒に楽しむ時間であり大事なコミュニケーション場でもある


© 2020 スカイラボ Skye Labo

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