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ドッグトレーナーが子犬を育てる Pt4

更新日:2021年4月20日

フィオナはすくすく成長し、日に日に活発になってきました。よく「おやつを使ってトレーニングはしないのですか?」と聞かれます。今回はそのことについてお話したいと思います。

ドッグトレーナーが子犬を育てる

おやつでトレーニングしないの?

スカイラボでは基本的におやつを使ったトレーニングはしません。

おやつを使ってコマンドを教えるとおやつが無い時はしてくれなくなる事はよくあります。

それは、犬はおやつを貰うために一生懸命になってしまい、飼い主よりもおやつの方が優先されてしまうため、犬と飼い主との関係ではなく犬とおやつの関係になってしまうからです。

ではどうやって褒めるのか。おやつはあげずに、褒める時は目一杯愛情を込めて触って褒めてあげて、一緒に喜んであげるトレーニングをすると、飼い主を喜ばせたい意識が芽生え、飼い主に喜んで欲しくて一生懸命コマンドを聞いてくれます。飼い主の触って褒めてくれる喜びは、一瞬で終わるおやつより断然嬉しいからです。

特に2ヶ月の子犬はおやつなどをあげてしまうとトイレの時間が定まらなくなります。あげる頻度、量、タイミングなどによってトイレのタイミングのズレ具合も変わってくるので、どんどんタイミングが崩れてしまいます。加えて栄養の面でも、おやつをあげるよりちゃんとバランスの取れたフードを優先するべきです。さらにおやつをあげていると、お腹を壊した時に原因の把握が難しくなります。以前、おやつが原因でお腹を壊していると知らず、フードだけをどんどん変えていた方もいらっしゃいました。

ただおやつは必ずしも悪いものではありません。スカイラボでも保護犬など犬が人間に不信感を抱いていた時に、解決策の一つとしてフードやおやつを使ったりします。そのほかにトラウマや恐怖心を克服する為にも、場合によって使います。基本的におやつを使ったトレーニングは心理的問題を解決する為に使ったり、トレーニングの壁にぶつかった時に使います。コマンドを教えるためや、ただ単に何かやってほしい時におやつで釣ってやってもらってもなかなかその先へはいけません

スカイラボでたまに見かけますが、「おすわり」とコマンドを言ったら、おすわりをした後何もあげていないのに口をパクパクしてる犬がいます。それはおやつを貰う前提でコマンドを事を聞いていて、何もあげないと次は言う事を聞かなかったりして抵抗したりします。そうなると飼い主はいつもどんな状況でもおやつを携帯しないといけない上、ドッグランなどおやつを禁止している所ですと必要な時になかなか言う事を聞きません。


少し話がそれますが、よく動画でトレーナーが犬と歩いている時に横にぴったりついてずーっとトレーナーを見上げているという場面がありますよね。ここまでうちの犬もちゃんと歩いてくれると良いなと思う方も多いと思いますが、実はその歩き方はとても不自然で、それはおやつで釣っているかおやつを持っているフリをして歩いているのが大半です。歩いている時ちょっとでもおやつへの執着心が薄れてきたら手を犬に近づけて修正する行為などがあると思います。もちろん、おやつが悪いとかではなくおやつを使っているのを隠してミスリードしているのが問題で、間違った形の理想を追及してしまうからです。ちなみにこれもおやつが無い、もしくはくれないと分かれば、そう歩かない犬は多いです(大会に出る犬はちゃんとしたおやつのあげ方をしているのでは違いますが)。


なぜよくトレーニングでおやつを使っているの?

正直に申し上げると、一番簡単にやって欲しい行動をすぐ見せられるからです。ただその場でできたからといって定着するかは別で、例えば子供に食べた後洗い物してと言っても普段はしてくれない場合、一回につき500円あげると言ったら真っ先に洗ってくれるかもしれませんが、楽しくない限り交換条件が無いとやらなくなったりするかもしれません。おやつでトレーニングをするということは、交換条件(おやつ)ありきの手法で、その場ですぐできるところを上手く見せられるため、トレーナーによってはパフォーマンスとして使う場合もあります。

トレーナーは限られた時間で犬の問題行動を直すのが仕事であり、それを飼い主に見せて納得してもらえるかは、今後依頼されるかされないのに関わってくることです。

動画も限られた時間で面白く楽しく問題を解決する様子を見せたいので、おやつを使ってやって欲しい事をしてもらい、動画を見ている飼い主さんが真似することでしつけが出来るようになっています。一番簡単にその場で劇的に変わったように見せるのがおやつを使ってのしつけです。

もしおやつを使ってのトレーニングをする場合は、おやつの使い方を理解して、さらにおやつをフェーズアウト(おやつを徐々に使わなくする)トレーニングも必要になってきます。誰もが引っかかるのがフェーズアウト部分。おやつを使わないと言うこと聞いてくれないので、結局何をするにもおやつに頼ってしまって悪循環に入ってしまう事もあります。おやつを使うのは最初は簡単ですがその後が大変で、間違ったやり方をすると問題行動を育ててしまう可能性もあります。

おやつなしだと最初が難しいかもしれませんが、それを越えると流れに乗ってどんどん成長していくので後々が楽です。なおかつ飼い主が触ってくれる愛情で学んで行くので、無限に、場所を問わず出来る褒め方なので良いですね。





フィオナ、初シャンプー!

この1週間でフィオナは活発になり、雨でも外で遊ぶようになりました。トイレを2回ほど失敗したので、初めてのお風呂に入れてあげることにしました。お風呂はリビングからちょっと離れた場所にあり、まだそのエリアには自由に行かせたくないので抱っこして連れて行きます。子犬でも一度慣れて通った場所はまた行く可能性があるので、行かせたくない場所に立ち入らないようにすれば、ある程度入らなくなります。キッチンや畳の部屋に入って貰いたくない場合、最初から入れないで慣れさせない事が大事です。後々キッチンや指定の場所に入らないようにトレーニングして行きますので、それまでは自分の足で入らないようにしておきます。

さて、フィオナを無事お風呂場に連れて行く事ができたのでシャワーで洗ってあげました。ラブラドールの場合水が好きなのであまり抵抗なく水を浴びてくれますが、水を嫌がる場合はベビーバスや水を溜められる容器にぬるいお湯をを入れてあげて、ゆっくり足から入れてあげると良いでしょう。



フィオナもここに来てからのシャワーが初めてなので、最初はあまり勢いよく水を出さずに洗ってあげます。水を勢いよく出してしまうと、水が跳ねたり浴槽に水が当たる音にビックリしたりしますので気を付けてください。必要であればお風呂場に慣れさせる為に一緒にお風呂場でおもちゃで遊んでも良いかもしれません。

お風呂もシャワーも温度設定は21度から33度くらいが良いでしょう。お湯を手で触ってみて暖かいと思ったら人間の体温を超えているので温度を下げてください。特に老犬や小型犬は体温の調整がうまくできない分、温度管理には注意してください。

フィオナに使うシャンプーは子犬用のシャンプーです。犬は一般的な人間用シャンプー等だと刺激が強すぎるので、必ず犬用のシャンプーを使ってください。

スカイラボでもおすすめの子犬用シャンプーです。




シャンプーをする時は、目、鼻、口と耳に入らないように気を付けて洗ってください。洗う時は足、肉球や尻尾を触ったりして、触られることに慣れさせるのも良い訓練になるのでやってみると良いと思います。



洗い流す時は水が耳や目に入らないように注意しながら念入りに洗い流してください。ちょっとでも洗い残しがあると、フケが出るので体全体をシャンプーがなくなるまで何回も水で流してあげると良いです。あとはタオルでしっかり拭いてあげてドライヤーを使う場合は使ってください。

ちなみに洗う頻度は犬種や体質にもよりますが1ヶ月に1回が良いと言われてます。あまり洗いすぎると肌が負けてしまい、痒くなったりしてどんどん肌の状態が悪くなって毛並みも悪くなっていきます。

ラブラドールの場合は毛質の関係上2ヶ月に一回が良いと言われてます。実際に私たちのラブたちも大体2ヶ月に一回程度です。

ただ子犬の時はトイレを失敗してしまったり、成犬でもドッグランなどに行くと汚れるものです。そういう場合はできればシャンプーを使わず水洗いだけにしてあげれば皮膚も傷まないので良いです。


フィオナはシャンプーが終わり体も乾いたので一旦ケージに入れます。ケージに入れる前に念のためトイレに連れて行きます。お風呂のあと犬はよくトイレに行きたがるのでトイレに行かせてあげましょう。ちなみにスカイは、お風呂の後必ずトイレに行かせて、とドアの前で待っています😂

お風呂がいい刺激だったのか、ケージに戻ってしばらくすると寝始めました。2時間位寝て起きたのでトイレに連れて行きリビングで他の犬たちと遊ばせます。

先住犬との遊びの比率



先住犬がいる場合、注意するべき点がいくつかあります。仲良くできるかはもちろんですが、出す度に遊んだり、遊びを全部先住犬に任せない事です。仲良く遊んでお互い疲れてくれるのは嬉しいですが、犬と遊んでいる方が人間よりも楽しいと思ってしまい、しつけする人間といるのは楽しくなない、となると2匹が結託する可能性があります。結託すると2匹で遊んでいる時、飼い主の事を無視したり言う事を聞かなかったりします。できれば最初は8:2の割合で飼い主が子犬と遊んでください。遊び以外(ご飯、寝る、ゆっくりする、散歩)は一緒にさせるままで良いと思いますが、先住犬を立てる事をお忘れなく。特にご飯は先に先住犬にあげる事により上下関係がはっきりするので良いですが、子犬が先住犬より早い時間に食べる場合は先住犬が気にしないように別部屋などで子犬に先にあげてください。

フィオナは20分位アイラとロナと一緒に遊んで、とても嬉しそうにしていました。遊んだり、甘えたり一緒に寝そべったりして時間を過ごしました。まだ一緒にゆっくりする所までは行きませんが、焦らず徐々に時間を増やしていけばそうなるはずです。20分が経ちそろそろ切り上げようかなと思った時、お尻を見るとちょっと膨らんでいました。気のせいかなと思いつつしばらく様子を見ていたら急にフィオナが焦り始めました。やっぱりと思い急いでトイレに出してあげるとすぐ良いウンチをトイレの場所でしました。個体差によりますが、子犬はウンチが近くなる時あるいはしたくなる時、お尻の穴周辺が膨らみますので、怪しいなと思ったら触らずお尻のチェックをしてみると良いでしょう。




また、犬と一緒に遊んでいる時はなるべくやって欲しくない行動はさせないという事を守りつつ、楽しく遊んであげる事が大事です。問題行動は飼い主が問題だと認識した時に初めて問題になるので、今やっている事がいくら可愛くても将来問題になりそうであれば、今のうちに修正してあげるとお互いストレスなくトレーニングをすることができます。

フィオナは遊んで疲れたので、ケージに入れる前に首輪をつけてから入れました。まだ散歩には行きませんが、今のうちに首輪に慣れさせておくといざ散歩に行く時には気にならなくなっているので散歩しやすくなります。首輪に慣れない最初の頃は、気になって首輪ら辺を後ろ足でかいたりしますがほっといても大丈夫です。ちなみに子犬の成長はとても早いのでちょっと緩めにつけてあげると良いですが、ゆるすぎると抜けたり物に引っ掛けたりするので気を付けてください。もう少し後でリードにも慣れさせますが、取りあえず首輪に慣れるまでは何もつけません。


次回は初散歩!


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