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「」に対する検索結果が52件見つかりました

  • 富山市内のとあるペットショップ

    最近しつけ相談(オンラインも含む)で6組連続、同じペットショップで購入された方のお悩みを聞かせていただきました。6組全員がペットショップより2種類のフードを混ぜるよう言われ、食糞またはウンチで遊んでしまう問題を抱えていらっしゃいました。他の問題行動も皆さんとても似ていて、大変驚いています。以前もブログで食糞問題について書きましたが、もし他にも同じような問題を抱えていらっしゃる方がいれば、参考にしていただければと思います。 フードを2種類混ぜることについて 基本的にはフードを混ぜる必要性はありません。特に今回のケースですとあえてメーカーを申し上げますが、ロイヤルカナンとセレクトバランスの2つを混ぜる必要はありません。ドッグフードの各メーカーは栄養バランスを考えて製造してあります。逆に混ぜてしまうと特定の栄養を摂り過ぎたりする可能性もありますのでご注意ください。 また、将来もし犬にアレルギーの傾向が見られた場合、種類を複数混ぜていると何が原因か把握しにくなります。正直に言うと、おそらくこれはお店側のキックバック(お金の為のノルマ)に配慮した行為で子犬のための行為ではありません。 食糞を辞めさせる方法について フードを変えることをお勧めします。 今回挙げたフードの中には原材料の問題や添加物等が入っています。その添加物等は消化されずそのまま糞に出てくるケースが多いため、ウンチから美味しそうな匂いがしたり、実際に犬が口にした時に美味しいと感じてしまい食糞に繋がります。 スカイラボでは食糞問題の解消のためにオリジン(Orijen)を勧めて来ましたが、ほとんどの食糞問題をフードを変えることで解決する事が出来ました。人間が食べられるグレードの食材を使ってる分、多少値段が高くなってしまうかもしれませんが、問題解決には良いフードです。 その他に食糞問題を解決するのに効果がありそうなフードを紹介します。 ・wellness core ・K9 Natural ・モグワン ・Canagan その他に共通していた点は、トイレの上で寝てしまう、そして全体的に母親離れが早すぎた印象を受けました。特に母親から離れるのが早いと、他の犬との接し方や経験による甘噛みの強さの調整、全体的に自信につながる所がどうしても欠けてしまう傾向にあります。社会勉強ができるよう、他の犬と触れ合える場所に積極的に連れて行ってあげると良いと思います。

  • ケースファイル〜愛情のすれ違い〜

    ケースファイル2 犬種:ボーダーコリー 性別:オス 購入場所:ブリーダー 課題:昼夜関係なく無駄吠え、散歩時の引っ張りと落ち着きの無さ 原因:犬及び犬種の理解 施工したトレーニングメニュー:訪問しつけ1日 これは私がまだ18歳でイギリスはスコットランドにいた時の話です。 ちょうど春休みの頃、スコットランドで農業を営んでる友達の家に1ヶ月滞在していました。友達と私はその土地で働いてるゲームキーパー(その土地の猟や猟犬を管理する人)と仲がとても良く、動物の事や狩りの仕方を色々と教えてもらっていました。ゲームキーパーの彼も5頭の犬を飼っていて、時間がある時ガンドッグのしつけのレッスンをやったりしていて、それを友達と一緒に手伝うようになりました。 ある日訓練の依頼がきました。「無駄吠えで近所からも苦情が来ているんです。もし来週までに何とかしないと保健所に犬が連れていかれてしまいます、助けて下さい!」 その依頼はゲームキーパーにお願いされたものだったのですが、友達とガンドッグの大会出張が入っていて対応ができないとのこと。ゲームキーパーに「お前に任せた」と言われ、一人で対応することになりました。 「もしどうしても難しかったら連れて帰って来ても良いから。まず彼女と犬を助けてみてよ。君も小さい頃から経験を積んでるんだから大丈夫だよ」と言われ、初めて犬のしつけを人に教える事になりました。 初めての訓練 数日後緊張しながら街中にある飼い主の家に行きました。 家に近づくと段々聞こえてくる感高い鳴き声。地図を見なくても音を辿れば分かるくらいでした。飼い主の家に着くと同時に違和感を感じましたが、とりあえずドアベルを鳴らしてみました。 数秒後、飼い主が出て来てほっとした顔で「来てくれてありがとうございます」と言われ、家の中へ。玄関からリビングまで愛犬と撮った写真が所々飾っていて、この人は本当に愛犬の事が好きなんだなと思いつつもちょっと違和感も感じました。後で気づいたのですが、全部の写真が室内あるいはスタジオで撮ったものばかりでした。 リビングにはキッチンもあり、彼女の夫は土曜日のスポーツ番組に釘付けでした。ここで失礼がない程度で、室内をさっと見渡し、犬の生活環境を把握して問題になりそうな点はないか見てみました。意外と電話やメールでの相談では気づかない、飼い主が見落としてる犬が過ごしている環境の問題点もあるので、このように訪問した先で実際の様子を知ることはとても大切だからです。 スカイラボでも無料しつけ相談でいらしゃって、その後訪問しつけに行ったら思いも寄らない原因が問題だった事が何件かあります。トレーナーとして犬を一匹一匹きちんと見るのはもちろん大事ですが、いつも犬が暮らしている環境や家族構成も理解するのも重要なのです。 キッチンとリビングを見回すと犬を飼っていれば置いてあるはずの物がないのに気付きました。それは犬用の水のボール。それを見て、多分しばらく家で一緒に過ごしてないんだろうなと思いながら、他に何か改善のヒントはあるかなと見ていた時、飼い主が大きめの声で私に声を掛けてきました。 「もうお分かりのようにこんな感じでずーっと吠えています。」そう言うと家の後ろにある10畳くらいの庭を指差し、愛犬であるボーダーコリーの居場所を教えてくれました。そこには立派な犬小屋があり、ワイヤーリードで繋がれて、鼻から尻尾まで手入れが完璧にされた艶々のボーダーコリーが空に向かって吠えていました。 そこで飼い主に聞きました。「いつも外で飼ってるんですか?」 「一歳までは室内だったんですが、無駄吠えと破壊行動が酷すぎてそれ以来外で飼っています。たまに中で一緒に過ごしますんですが、ほとんど外です。」 それを聞いて質問を続けました。「ブリーダーさんから迎え入れましたか?」 「はい、チャンピオン犬の犬が欲しくて、直接買いました。」 そう言われて手元にあった血統書を見ると、家族全員チャンピオンの称号がついていました。さらに吠えている原因を探りました。「なぜボーダーコリーを飼うことにしたのですか?」 「それは見た目もかっこいいですし、毛並みが好きで頭もいいので。あと子犬の時すごく可愛かったので思わず買いました。」 「なぜチャンピオン犬を探していたんですか?」 「優秀でトレーニングしやすいと思って。」 「ちなみにドッグフードは何をあげていますか?」 「私全部手作りしてるんですよ。スーパーで売っている物とかだと毛並みが悪くなるので。」 確かにフードによって体調、毛並み、そして落ち着き等が変わりますが、手作りフードは栄養バランスがとりにくいというリスクがあるので、どんなご飯を作っているのか聞いてみました。すると新鮮なオーガニック素材を使った、完璧すぎる栄養バランスのご飯を作っていてびっくり。犬用のご飯の本も出せそうな程の犬に必要な栄養はご飯の作り方について知っていて、その後思わず1時間位教えてもらう立場になってしまいました。 「散歩は一日何時間ぐらいですか?」 「1日2回で、合計2時間半位から3時間程度です」 意外と多いなと思い、外にいる犬に目をやりながら続けました。 「そのうち走ってる時間は?」 「散歩なので走りません。」 「思い切り走れるところに連れて行っていますか?例えばドッグランとか、自然の中とか。」 「あまり行きません。山とかちょっと苦手で、ドッグランは毛がすぐ汚れて大変なので連れて行っていません。」 最初の違和感はここだ! 私が見慣れているボーダーコリーは、いつも牧場や農地で農家と一日中一緒に行動しながら羊を走らせたり仕事もしている。そして夜は飼い主と暖炉の前でゆっくりしてから寝てまた朝から一緒に仕事に出るーー。元々そういう仕事をするための犬なので、吠える原因もこれではっきりとわかった。でもこのボーダーコリーはここで仕事をするために飼われたわけじゃない。どんな風に伝えよう…。 考えながら続けます。「ボーダーコリーはとても頭が良くて仕事をするのが大好きな犬なんです。頭を使って仕事をするようなことをしないと、だんだんストレスになっていくんです。例えば今まで夫婦で仕事を共にしてたのに、定年退職したらする事がなくなってストレスと感じてしまうとか。サッカー選手が怪我でずーっと試合に出られない気持ちとか…。と色々例えを交えて伝えたのですがピンと来なかったようなので、今回は1日でトレーニングを終わらせるという目標もあったので実際に犬の気持ちになってみることに。 犬の気持ちになってみる では、今からあなたの犬が今どんな気持ちでいるか実際に感じてみましょう。携帯、腕時計、持ち物全部をご主人に預けて下さい。そしてトイレに入ってずっと入っていてみてください。と伝えました。飼い主はこのチャレンジは簡単だ、お安い御用。日が暮れちゃうけど大丈夫?と言いながら入って行きました。 そこから30分が経過。トイレから暇だー暇だーという声が。「結構がんばったでしょう、私。もうそろそろ終わりにしない?」という声が。返事をしたいけどここは返事をしないで我慢…。そこから約20分くらいで飼い主は耐えきれずにトイレから飛び出して来ました。 「もう無理です…気持ちがわかりました。」と言われ、私は「これをずっと3年間続けられますか?」と言うと「頭がおかしくなるから絶対に無理ですよそんな」と首を振りました。 飛び出して来たトイレを見るとトイレットペーパーで暇つぶしをしていた様子。「暇だったのでトイレットペーパーで折り紙的なことをしようとしましたが諦めました。」と笑いながら飼い主は言いました。 「物で暇つぶしをする、というのをあなたの犬がやると『問題行動』になりませんか?」 「確かにそうですね…」と飼い主は頷きました。「それが今あなたの犬が経験してることです。彼に必要なのは新しい刺激やいつもと違う運動です。」 毎日同じ散歩コースで新しい発見も限られて、目一杯走る事もできず頭を使って何かをするチャンスもなく、ただ単に1日のほとんどはこの庭で繋がれている状態です。 もちろん犬種、性格、体格により必要な運動量は変わります。アパート暮らしの人は活発なボーダーコリーを飼ってはいけないとは言いませんが、飼う場合は違う方法で満たしてあげるような工夫が必要です。可愛いから犬を飼う、のではなく、犬を飼う前にちゃんとその犬種の特徴を理解して、何が必要なのかを理解すれば、お互い良いパートナーになれる第一歩を踏み出せると思います。 ここで彼女に提案をしました。「苦手なドッグランに行く必要もありませんが、他の犬との交流も大事です。でも今彼に必要なのはストレス発散の運動と脳の刺激です。今から誰もいない野原に行きましょう」と言い、車で15分のところにあるフェンスで囲われている開けた場所に行きました。 犬に合った遊び 呼び戻しがきかない時のため30mのリードを準備してましたが、幸いこの子は呼び戻しがききました。リードを離したらすぐさま嬉しそうに走り回っていました。数分すると興奮が収まり、段々することが無くなった素振りを見せたので、ここでガンドッグトレーニングように使ってるダミー(鳥の形したおもちゃ)を投げて、回収させるトレーニングと遊びをしました。ここはさすがボーダーコリー。飲み込みが早いだけでなくおもちゃが落ちる前にキャッチしてる。ここで飼い主さんと楽しく遊べるようフリスビーで遊ぶことにチャレンジ。 ちょうど他のトレーニングに使用してたフリスビーを試しに投げみたら見事に一発目でキャッチして得意気に戻って来ました。それを見た飼い主が、すごく楽しそうだから私にもやらせてと言い、挑戦してみました。最初はディスクをうまく投げられず変な方向に転がって行ったりしていましたが、それを逆に愛犬は面白がって追いかけていました。 この様子を見て、きっとこの犬と飼い主は良いパートナーになれる、と強く感じました。飼い主には愛犬を思う心があり愛情が溢れるほど大切にしていましたが、その犬種が必要とすることを知らないまま飼ってしまい、結果お互いに苦しんでしまっていました。 ディスクの投げ方を飼い主に教えながら、犬も飼い主もお互いへとへとになるまで続けました。飼い主は、散歩よりこっちの方が楽しい、もっと遠くに投げられるよう夫と一緒に練習します!と笑顔を見せてくれました。 遊びで夢中になって、あたりはすっかり薄暗くなってしまったので、車で少し走ったのち、スリップリードを使って散歩の練習を家まで歩いてしました。 家に到着すると、愛犬がゆっくりと自分の家の中へと歩いていく姿を見て言いました。 「今晩は家の中で寝ても吠えませんよ、しかも悪戯もしないと思います。なぜなら彼はもう満足していますから。」 「良かったです。でも、私たち2人とも仕事をしていて、これを毎日するのは難しいんですがどうすれば良いですか?」 「人間もそうですが、激しい運動をしなくても集中して脳を使えば疲れます。例え明日が雨で外にいけなくても、色々工夫をして彼の脳を刺激してあげると走らなくても疲れるものです。例えば好きなおもちゃを家のどこかに隠して探してもらうとか、新しいコマンドを教えて特定のもの持ってくるとかすると、きっと楽しいと思います。例え平日は仕事で家にいなくても週末ちゃんと走る運動をすれば大丈夫ですよ。」と伝えました。 犬のエネルギーはコップに入った水のようなものです。水がコップにだんだん溜まるように、日に日にエネルギーが溜まって、水がコップから溢れ出た時にイタズラや破壊行動が起きてしまいます。1週間に一度、思い切り運動をすることでコップの水が一気に減って、しばらくはたくさん運動をしなくても平気になるのです。 「今日はゆっくり寝られるはずです。今後問題行動とか無駄吠えが多くなってきたら、エネルギーが溜まってきている証拠なので運動をさせてください。困ったことがあったら、いつでも連絡してください」と伝えて仕事を終えました。 その後ゲームキーパーから写真付きのメールが届きました。彼女は今ディスクドッグの大会に出られるよう、愛犬と頑張ってるみたいだよと書いてありました。写真を見ると大会を終えた時の飼い主と愛犬でした。そこには泥んこのボーダーコリーと、多分何回もディスクを投げたせいか手が泥んこになった飼い主が満面の笑顔で写っていました。きっとあれから愛犬とたくさん楽しい思い出を作ってくれたと思います。

  • 避妊するべき?時期はいつ?

    避妊手術も去勢手術同様、最近の研究結果により段々分かって来たことあります。 今回も引き続きイギリスとドイツにいる獣医の知り合いとアメリカにいるトレーナーにも意見を聞いて、現時点でわかってきていることを参考までに紹介したいと思います。 避妊のメリット ヒート(犬の生理)を止める事ができる ヒートは基本オムツをしてないと、犬がいるところが出血で汚れてしまいます。外陰部は腫れポタポタと出血するので大事なカーペットやソファーにつく事もあります。またヒート中は、他の犬オスメス関係なく誘惑する行為をしたりします。他の犬にお尻を突き出したり、自分からマウンティングしたりします。 ヒート期間(2-4週間)は要注意 ヒートは半径数キロにわたり他のオス犬を誘う力があります。例え庭にしっかりした柵があっても、ヒートを察知した犬を止める事は出来ませんので庭に一人にさせない様にしたり色々配慮をしないといけません。場合によっては散歩も当分控えたほうが良いです。 ヒート期間中は旅行に行きにくい ヒートは大体決まった周期で来ますが、予定とずれる時もあります。旅行に行こうとした時ヒートが来ると、預ける予定だったペットホテルでは受け入れられませんと言われることが多いです。ペットホテルの多くは、ヒート中の犬を預かると他の犬に影響があるので預買ってもらう事が難しいです。例えペットと一緒に泊まれるホテルに宿泊できてもドッグランや他の犬との共有スペースを利用できなくなってしまいます。何よりヒート中の犬は少し情緒が不安定になる事もあるので、できるだけ一緒にいてあげたり休ませてあげる事が必要です。 ヒートサイクルについて 発情前期:発情前期は、犬の体が交尾する準備をしている段階です。平均して約9日間ですが、3~17日間続く場合があります。犬の外陰部は腫れ、血が混じった分泌物でヒートがきたことに気付くことが多いでしょう。ただ多くの犬は気付かないうちに自分できれいにするのでいつの間にか始まっていたという事も多々あります。また、犬が尻尾を体に近づけるような動きをして、飼い主に密着してしがみつくような、甘えているような行動をすることがあります。ヒートサイクルのこの段階では、犬はオスを引き付けますが、オスを受け入れず、オスがマウントしようとすると攻撃的になる可能性があります。 発情期:発情期は交尾期であり、通常は約9日間続きますが、最短で3日間、最長で21日間となる場合があります。この間、血量は減少していきその後止まります。メスはオスを引き付けて受け入れ、排卵は交尾の2~3日後に発生します。犬は排尿する頻度が高くなり、色々なところにマーキングのようにおしっこをして、繁殖する準備ができていることを示す「フェロモンメッセージ」を広めようとする傾向が出てきます。 発情間期; 発情休止期:この段階は「ヒート」の直後に発生し、約2ヶ月間続きます。外陰部が通常のサイズに戻り、膣分泌物が消えるので、犬の体は妊娠に進むか、休息に戻ります。 非発情; 無発情; 発情休止; 発情休止期:発情期は子宮の修復段階3であり、性行動やホルモン行動が見られず、次の発情前期が始まるまでの90日間から150日間続きます。 参考記事:How Long Does a Dog's Heat Cycle Last? https://www.thesprucepets.com/heat-cycle-for-dogs-3385378 子宮への致命的な感染を防ぐ 避妊してない犬の4匹に1匹は子宮蓄膿症を発症するといわれています。子宮蓄膿症になると細菌感染を起こし膿で子宮が腫れ、唯一の治療法は緊急避妊手術になります。発症した時の年齢が高齢になる程手術のリスクが高まります。多くの犬がこの子宮蓄膿症で亡くなっているのが現状です。健康で若いうちに避妊をすれば防ぐ事ができます。 乳がんのリスクをさげる 2歳半までに避妊をすれば乳がんのリスクが下がるといわれています。 妊娠や想像妊娠を防ぐ ヒートの数週間後に想像妊娠をする犬もいます。母乳が出て特定のおもちゃやぬいぐるみを子犬がわりにして面倒をみたりします。その光景は可愛く映るかもしれませんが、ホルモンやメタボリズムのバランスが崩れてしまい、健康に害を及ぼす可能性があります。実際に、10歳の犬が想像妊娠をしてから乳がんになり、それが体に転移して亡くなった子もいます。 避妊手術のデメリット 肥満になる可能性 肥満になる可能性が2倍に膨れ上がるといわれています。肥満になると、あらゆる病気(衰弱性関節疾患、関節炎、心臓病、膵炎、糖尿病)を発症するリスクが高まります。肥満になる理由の多くは、避妊手術前と同じ量のフードをあげているからです。避妊後は犬のホルモンバランスが変わりメタボリズムに影響するので、必要とするフードの量が減ります。避妊後は運動とフードを上手く調整しながらやれば肥満にはなりません。 血管肉腫のリスクが上がる 血管肉腫は血管の内側を覆っている細胞に発生するタイプのがんです。生殖ホルモンが発症を多少抑えているといわれていますが、このがんは心臓や脾臓で発症します。避妊手術をしている犬は避妊していない犬に比べて2倍の確率でなるともいわれてます。血管肉腫はどの犬種でもなり得ますが好発犬種は以下の犬種です。 アフガン、 イングリッシュ・セッター、 グレーター・スイス・マウンテン・ドッグ 、 ゴールデン・レトリーバー、 サルーキ、 ジャーマン・シェパード、 ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ、 スカイ・テリア、 スコティッシュ・テリア、 ドーベルマン、 バーニーズ・マウンテン・ドッグ、 ブービエ・デ・フランダース、 フラットコーテッド・レトリーバー、 ブルドッグ、 フレンチ・ブルドッグ、 ベルジアン・シェパード、 ボクサー、 ボストン・テリア、 ラブラール・レトリーバー、 ローデシアン・リッジバック、 ロットワイラー、 甲状腺機能低下症のリスク 生殖ホルモンがなくなると内分泌系に異常が起こり、甲状腺レベルが低下して体重が増加したり薄毛になったりぐったりします。甲状腺サプリをあげれば良くなりますが、一生あげ続ける必要があります。 犬の認知機能障害のリスク 認知機能障害のシニア犬は飼い主や家族に対していつもと違う行動を取ったり、家の中で迷子になったりする事があり、今まで教えてきたトレーニングを忘れてしまうケースもあります。未去勢の犬は生殖ホルモンがあるおかげで発症しにくいといわれてます。 避妊手術のリスク 欧米での調査では、18回に1回は避妊手術でトラブルが発生すると言われてます。 例えば麻酔の拒絶反応や感染症等、ほとんどのトラブルは命に大きく影響はないですが1%の確率で死に至る事もあります。 避妊手術のタイミングを間違えると股異形成(股関節形成不全)、靭帯損傷、骨がん、尿失禁のリスクが増す 生殖ホルモンは犬の骨、関節と内臓を正しく発達させてくれます。早く避妊をしてしまうとその発達に影響を及ぼしてしまう事もあります。例えば早すぎると足の骨の成長スピードが異なり、股異形成と靭帯損傷に繋がる事もあります。それと同時に適正時期に避妊した犬又は避妊していない犬に比べて骨がんのリスクが3倍に膨れ上がると言われています。 また、20%の早く避妊した犬は中年になると膀胱の筋肉が弱すぎておしっこを漏らしてしまう事もあります。これは犬にとっても失敗したという自覚もあり、ストレスにつながる事が多いのです。 最後に、早く避妊してしまうと外陰部の形や大きさを左右する事もあります。そのため外陰部は、本来のように突出するのではなく、体の内側に埋め込まれることもあります。異常な外陰部には、細菌を閉じ込めてしまう皮膚のひだがあり、皮膚炎、膣感染症、または尿路感染症を引き起す可能性があります。 いつ避妊すれば良いの? 犬種に寄りますが基本的には成犬時の体重をベースとして期間が分かります。 成犬時13kg以下の犬は9ヶ月以降にすると良い。 (チワワ、ダックスフンド、ポメラニアン他) 成犬時13kgから22kgの犬は12ヶ月以降が良い。 (柴犬,コーギー、ボーダー・コリー他) 成犬時22kg以上の犬は15ヶ月以降が良い。 (ジャーマン・シェパード、ラブラドール他) 以上を踏まえスカイラボでは繁殖目的が無い場合は避妊手術をお勧めしていますが、血管肉腫のリスクがある犬種は考えてみても良いかもしれません。 手術のリスクを下げるには? いつも使っている獣医さんで信頼している獣医さんならいいですが、初めて犬を飼った人や初めて動物病院を利用する場合は心配なものです。去勢手術の記事にも同じ内容を書いていますが、もし心配だったら以下のことを聞いてみると良いでしょう。 「全身麻酔はセボフルランあるいはイソフルランを使ってますか?」そのどちらかを使ってる所だったら良いと思います。セボフルランとイソフルランは両方とも吸引するガスで犬の気管に管を通して送り込む手法です。手術中濃度を調整ができ、手術が終わればそのガスは口から出て数分で意識を取り戻せます。 ハロタンを使っているなら注意。意識が戻るまで時間も掛かり肝臓に負担がかかり過ぎるので避けた方が良いです。 全身麻酔をする場合管を気管を通すため鎮静剤も必要になって来ます。鎮静剤は注射あるいは点滴で投与しますが、出来ればプロポフォールあるいはジアゼパムとケタミンの混合剤がお勧めです。ただ残念ながら両方にリスクはあります。プロポフォールは息が止まってしまうケースもあり、ケタミンは痙攣を起こす可能性があります。最も避けたいのはバルビツール酸系の鎮静剤。過剰摂取しやすく肝臓や腎臓に負担がかかり、意識が正常に戻るまで時間がかかります。 落ち着いてる犬は逆にセボフルランあるいはイソフルランを使ってマスクで鎮静させる事も可能です。麻酔と同じガスなので注射や点滴も要らないので負担が軽くなりますが。 ちょっとでも嫌がったりして抵抗すると心拍や血圧が上がり恐怖心やストレスが加わってしまうので、本当に落ち着いてマスクを装着できる子しか出来ない方法です。 以上の事を聞いて見るとちょっとは安心できるかもしれません。 繁殖を考えている場合 もし繁殖を考えている場合はちゃんと計画的に準備をする必要があり、リスクも伴います。興味本意あるいは可愛い子犬を生ませたいだけならお勧めしません。母犬にとって出産は命がけです。 責任を持った繁殖は時間とお金がかかります。コスト面では交配犬にかかる費用や、獣医費(診断、エコー、場合によっては帝王切開、子犬のワクチンや健康診断,緊急時等)、フード代、新しい飼い主を見つける費用等です。販売という形で新しい飼い主を見つける場合は動物取扱責任者が必要となります。責任者がいない場合は自ら資格をとる必要があり、資格を取る為の時間と費用、販売登録の費用がかかります。 最悪の場合、愛犬が出産時または出産後に亡くなってしまう可能性もあります。今まで明るく元気に過ごしてた子が飼い主の意思で出産させて亡くなるのはお互いにとって残酷でとても悲しいことです。 また、無事に産んでも子犬に障害があったり問題を抱えてる事もあります。残念なことに子犬は力尽きて亡くなったり、生き延びても新しい飼い主が見つ借りにくいのが現実です。例え何にも問題なく産まれてきても、数日たったら死んでしまう子犬衰弱症候群(fading puppy syndrome)もあります。子犬が巣立ってからも、ちゃんと愛情を持って面倒を見てくれているか、脱走してないか、心配になる事もあるでしょう。 避妊手術に関して色々と不安な点等ありますが、犬と向き合って犬の体調等を見ながら決断されるのが一番だと思います。もし手術をするとなったら、その子にあった時期を獣医さんや家族と納得行くまで相談しても良いと思います。スカイラボでは避妊は病気予防等のためお勧めしていますが、どちらを選んでも間違いではありません。 無理に決断して後悔するより、時間を掛けて決断して愛犬との時間を大切に過ごしてください。 参考記事等: Neutering Dogs: Effects on Joint Disorders and Cancers in Golden Retrievers https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0055937 Long-term health effects of neutering dogs: comparison of Labrador Retrievers with Golden Retrievers. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25020045 Our Dogs, Ourselves: The Story of a Singular Bond https://read.amazon.com/kp/embed?asin=B07P5GCH63&preview=newtab&linkCode=kpe&ref_=cm_sw_r_kb_dp_9k7NDbSGXB27T&tag=thewaspos09-20&reshareId=P1FG3Z38SM31ZATHN69X&reshareChannel=system vet AUDIT https://vetaudit.rcvsk.org/ New Report on Complication Rates for Neutering Surgery in Dogs and Cats https://skeptvet.com/Blog/2018/11/new-report-on-complication-rates-for-neutering-surgery-in-dogs-and-cats/

  • 去勢するべき?時期はいつ?

    去年生まれた子犬たちはもう6ヶ月。そろそろ去勢・避妊手術について考え始める時期になってきました。去勢・避妊手術については正解がなく様々な意見がある中で、最近の研究で段々分かって来たことがあります。 今回はイギリスとドイツにいる獣医の知り合いとアメリカにいるトレーナーにも意見を聞いて、現時点でわかってきていることを参考までに紹介したいと思います。 去勢のメリット 一般的に、去勢をした結果、犬の行動に次のような影響が出ると言われています。 ・足を上げてマーキングする行為が減る。あるいは足を上げる前に去勢をすれば足を上げない。 ※去勢をしたからといって必ずしもマーキング行為が改善するわけでもありません。足を上げる前にしても上げる子もいます。テストステロン(男性ホルモンの一種)は体全体で作られていて、去勢しても作られるので去勢後でもマーキング行為をする子もいます。 ・支配性と凶暴性を抑える可能性が高い 一般的に、去勢手術によってテストステロンの低下することで凶暴性を抑えることができるといわれています。 ただ、先述したように去勢をしても完全にテストステロンがなくなる訳ではありません。このような問題行動があればトレーニングによる改善が必要になります。2017年の記事ですが、去勢によってテストステロンが減ることで攻撃性が減るとは限らない、他のホルモンの影響の方が大きいという研究結果も出ています。 参考記事:攻撃的な犬はホルモンに違い、改善に光 ・他の犬に狙われない 自分の犬が優しい性格だったとしても、未去勢の場合他の犬からライバルとして見られる可能性があり喧嘩を売られる可能性もあります。 ・集中力の向上 他の犬がライバルか良い遊び相手になるかが気になりすぎて、集中が保てないという事がへります。去勢をすることで他の犬があまり気にならないこともあります。 ・マウンティングが減る 未去勢の場合他の犬、枕、毛布、ぬいぐるみ、時には人の足でマウンティング行為をする事があります。例え去勢済みの犬でもやる時がありますが、原因は運動不足、テンションの上がりすぎ、またはただ単にその行動がダメと教えられていないことからきていることが多いです。 ・他のメス犬を追わない メス犬のヒートは数キロ先から感知する事が出来ます。それにより未去勢の犬は興奮して鳴き出したら、ウロウロとしたり、ヨダレが止まらなくなったり、最悪の場合脱走する事もあります。 ・前立腺肥大のリスクを抑える 未去勢の場合7歳以降の犬の8割が前立腺肥大の問題を抱えています。無症状の犬もいますが、もしおしっこやうんちを痛そう・辛そうにしていたら去勢をお勧めします。去勢によってテストステロンの数値が下がり前立腺が自然と縮みます。 ・精巣腫瘍の可能性を無くす 未去勢の犬の7%に精巣腫瘍ができます。ただ基本的には転移せず9割の確率で完治するといわれていますが、去勢をすることで発症の可能性をゼロにします。 *もし飼っている犬が一歳以上で片方又は両方の睾丸が降りていなければ、降りている犬に比べて14倍の確率で精巣腫瘍のリスクが高まりますので去勢手術をお勧めします。 ・肛門周囲瘻のリスクを低減 治すのがとても難しい病気で基本的に犬種問わず発症しますが、 好発犬種(最も起こりやすい犬種)はジャーマンシェパードとアイリッシュセッターです。 ・計画していなかった子犬がうまれない 去勢のデメリット ・肥満になる可能性が2倍 肥満になるとあらゆる病気を発症するリスクがあります。基本的に肥満になる理由は去勢前と同じ量のフードをあげているからです。去勢後は犬のホルモンバランスが変わりメタボリズムに影響し、必要とするフードの量が減ります。去勢後、運動とフードを上手く調整すれば肥満にはなりません。 ・血管肉腫のリスクが上がる 血管肉腫(血管の内側を覆っている細胞に発生するがんは、)生殖ホルモンが発症を多少抑えていると言われています。この病気は心臓や脾臓で発症し、去勢済みの犬は未去勢の犬より2倍の確率でなるともいわれてます。血管肉腫はどの犬種でもなり得ますが好発犬種は以下の犬種です。 アフガン イングリッシュ・セッター グレーター・スイス・マウンテン・ドッグ ゴールデン・レトリーバー サルーキ ジャーマン・シェパード ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ スカイ・テリア スコティッシュ・テリア ドーベルマン バーニーズ・マウンテン・ドッグ ブービエ・デ・フランダース フラットコーテッド・レトリーバー フレンチ・ブルドッグ ブルドッグ、ベルジアン・シェパード ボクサー ボストン・テリア ラブラール・レトリーバー ローデシアン・リッジバック ロットワイラー ・甲状腺機能低下症のリスク 生殖ホルモンがなくなると内分泌系に異常が起こり、甲状腺レベルが低下して体重が増加したり薄毛になったり、ぐったりしたりします。甲状腺サプリをあげれば良くなりますが、ずっとあげ続ける必要があります。 ・犬の認知機能障害のリスク 認知機能障害のシニア犬は飼い主や家族に対していつもと違う行動を取ったり、家の中で迷子になったりする事があり、今まで教えてきたトレーニングを忘れてしまうケースもあります。未去勢の犬は生殖ホルモンがあるおかげで発症しにくいといわれてます。 ・去勢手術のリスク 欧米の調査では20回に1回の確率で去勢手術のトラブルが発生するといわれてます。例えば麻酔の拒絶反応や感染症等、ほとんどのトラブルは命に大きく影響はないですが1%の確率で死に至る事もあります。 ・去勢手術のタイミングを間違えると股異形成(股関節形成不全)、靭帯損傷、骨がん、尿失禁のリスクが増す 生殖ホルモンは犬の骨、関節と内臓を正しく発達させてくれます。早く去勢をしてしまうとその発達に影響を及ぼしてしまう事もあります。例えば、手術のタイミングが早すぎると足の骨の成長スピードに影響が出て、股異形成と靭帯損傷に繋がる可能性もあります。加えて、去勢手術が早過ぎると適正時期に去勢した犬、または未去勢の犬に比べて骨がんのリスクが4倍に膨れ上がるといわれています。 いつ去勢すれば良いの? 犬種に寄りますが基本的には成犬時の体重をベースにしてタイミングを決めます。 ・成犬時の体重が13kg以下の犬は9ヶ月以降にすると良い。 (チワワ、ダックスフンド、ポメラニアン他) ・成犬時の体重が13kgから22kgの犬は12ヶ月以降が良い。 (柴犬、コーギー、ボーダー・コリー他) ・成犬時の体重が22kg以上の犬は15ヶ月以降が良い。 (ジャーマン・シェパード、ラブラドール他) 最近の調査結果を見ていると、今までよく言われてきた「犬種問わず6ヶ月までに去勢をするべき」というのは果たして正しいのか疑問が湧きます。 去勢で問題行動は直る? この質問はスカイラボでもよく聞かれます。噛み癖がひどいので去勢を早くした方が良いのでは?他の犬と仲良く遊べないから去勢したら遊べるようになりますか?よく吠えるので去勢をしたら大人しくなるでしょうか?など、去勢をすれば問題行動は収まるのではないか…逆に言うと去勢をしていないから、このような問題行動が起こるのでは、という話をよく聞きます。 最初の質問である「去勢で問題行動は直る?」については、「いいえ」が安全な答えです。問題行動が減る可能性はあるかもしれません。ただ、その問題行動を覚えてしまった以上トレーニングが必要になるケースが多いです。 そもそもその問題行動は本当に去勢してないから起こるのでしょうか? 例えばドッグランで遊んでいる時、新しく入ってくる犬全員に喧嘩を売りに行くのは未去勢だから?果たして絶対にそうなのでしょうか。他に原因があるかもしれません。例えば喧嘩を売ってしまう犬はいつも1時間以上ドッグランにいて毎日のように来ているのであれば、その行為の原因はドッグランに長くいすぎるからです。ドッグランをみんなの物ではなく自分の物にしてしまって、自分のルールを押し付けようしているからです。その行為は去勢・未去勢関係なくそのような環境を作ることで起こり得る問題行動です。 人間も同じです。例えば初めて行ったバーあるいは地元の居酒屋に行って入ってみると常連さん達がジロジロ見て来てちょっと嫌な思いした事は一回はあるはずです。常連さんは悪気が無くってもその店に慣れてしまった分変化に敏感になってしまってるのです。 ドッグランで喧嘩する常連の犬の直し方はいくつかあります。他の犬が来るのが見えたら呼び寄せて側にいさせて相手の犬を観察してから挨拶をするようにする。ドッグランにいる時間を15分から30分程度にして、出来れば2週間から3週間に一回程度そのドッグランに行くようにして少しずつ自分のテリトリーだという意識は薄れさせる、などです。他のドッグランに行くというのも良いと思います。もしかしたらまた行動が変わるかもしれません。 マーキングやおしっこ問題は直る? 効果的ではありますが必ず効くとは言い切れません。その犬の自信のレベルやホルモンバランスに左右されます。もちろん癖でやってしまっている子もいますので去勢してもし続ける子もいます。 スカイラボでは常時マーキングする犬を預かったりしますが、その中でもケージに入れてもケージの中から外へ360°マーキングをした大物がいました。去勢したら直ったという犬も入れば、全く変わらない子もいました。マーキングやおしっこ問題はトレーニングもそうですが、環境の改善で直るケースも多々あります。 去勢しないで交配させようと思っておりますが大丈夫ですか? 交配してから以下の問題点・懸念点が出てくる可能性があります。 1.マーキング行為と積極性が増す 2.マウンティング行為が犬や人に対して過激になる 3.飼い主を無視するようになる。他に犬がいたら特に聞かない。 4.喧嘩が多くなる。 また、交配したからといって、必ずしも自分の犬のような犬が生まれるとは限りませんし、責任を持ってちゃんとしたブリーディングするには時間、労力とお金がかかります。利益目的であればお勧めしません。(ではなんでペットショップが成り立っているのかは長くなるのでまた今度) 手術のリスクを下げるには? いつも使っている獣医さんで信頼している獣医さんならいいですが、初めて犬を飼った人や初めて動物病院を利用する場合は心配なものです。獣医さんには聞きにくいかも知れませんが心配でしたら以下のことを聞いてみると良いでしょう。 「全身麻酔はセボフルランあるいはイソフルランを使ってますか?」 そのどちらかを使ってる所だったら良いと思います。セボフルランとイソフルランは両方とも吸引するガスで犬の気管に管を通して送り込む手法です。手術中濃度を調整ができ、手術が終わればそのガスは口から出て数分で意識を取り戻せます。 ハロタンを使っているなら注意。意識が戻るまで時間も掛かり肝臓に負担がかかり過ぎるので避けた方が良いです。 全身麻酔をする場合管を気管を通すため鎮静剤も必要になって来ます。鎮静剤は注射あるいは点滴で投与しますが、出来ればプロポフォールあるいはジアゼパムとケタミンの混合剤がお勧めです。ただ残念ながら両方にリスクはあります。 プロポフォールは息が止まってしまうケースもあり、ケタミンは痙攣を起こす可能性があります。 最も避けたいのはバルビツール酸系の鎮静剤。過剰摂取しやすく肝臓や腎臓に負担がかかり、意識が正常に戻るまで時間がかかります。 落ち着いてる犬は逆にセボフルランあるいはイソフルランを使ってマスクで鎮静させる事も可能です。麻酔と同じガスなので注射や点滴も要らないので負担が軽くなりますが。 ちょっとでも嫌がったりして抵抗すると心拍や血圧が上がり恐怖心やストレスが加わってしまうので、本当に落ち着いてマスクを装着できる子しか出来ない方法です。 以上の事を聞いてみるとちょっとは安心できるかもしれません。 去勢についてまだ色々と書けますが、長くなっちゃうのでここまでにしておきます。 スカイラボとしてはどちらを選んでも間違いではないと思います。まだ獣医学的に明確にわからない事が多いので去勢という課題は飼い主そしてご家族が話し合って決める事だと思います。ただ去勢を選ぶ場合は、犬の健康のために時期を慎重に判断したいところです。 避妊手術に関してはこちら 参考記事等: Neutering Dogs: Effects on Joint Disorders and Cancers in Golden Retrievers https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0055937 Long-term health effects of neutering dogs: comparison of Labrador Retrievers with Golden Retrievers. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25020045 Our Dogs, Ourselves: The Story of a Singular Bond https://read.amazon.com/kp/embed?asin=B07P5GCH63&preview=newtab&linkCode=kpe&ref_=cm_sw_r_kb_dp_9k7NDbSGXB27T&tag=thewaspos09-20&reshareId=P1FG3Z38SM31ZATHN69X&reshareChannel=system vet AUDIT https://vetaudit.rcvsk.org/ New Report on Complication Rates for Neutering Surgery in Dogs and Cats https://skeptvet.com/Blog/2018/11/new-report-on-complication-rates-for-neutering-surgery-in-dogs-and-cats/

  • ケースファイル〜二つの顔を持つ犬〜

    ケースファイル 1 犬種:ポメラニアン 性別:オス 購入場所:ペットショップ 課題:家では予兆なく家族を本気噛みする・ 無駄吠え・フードガード 原因:飼い主の優しさと配慮が逆効果になっている スカイラボで行ったトレーニングメニュー:訪問トレーニング1時間×2回 、お預かり訓練3泊4日 トレーニングを手伝った犬:スカイ、アイラ、ロナ 今回のポメラニアンは、他の客さまから飼っている犬についてとても悩んでいる知り合いがいるのでスカイラボを紹介したい、と話を受け、まず愛犬と一緒に無料しつけ相談に来ていただきました。 問題行動を見せてくれない 今回のポメラニアン。しつけ相談で話を聞くと、家ではとても凶暴で、祖母を含む家族全員を何回も出血するほど本気で噛んだ事があるので、今では触るのも怖いとのこと。 確かに話している間、愛犬が近寄って来ると、飼い主は「無意識に噛まれたらどうしよう」という不安が顔に出て避ける動きをしていました。 一方、愛犬のポメラニアンは噛む素振りもなく、平然とスカイラボの室内を探索していい子にしていました。 飼い主さんに「いつも外ではこんな感じですか?」と聞くと、「はい、そうなんです。トリミングに連れていっても、『とても良い子にしてましたよ』とトリマーさんに言われるんです。」との回答。 「うーん、今見ている限りでは問題なさそうに見えますね…」と話ながら愛犬を観察していると、ちょっと気がかりな行動が。年齢に比べるとちょっと落ち着きが無い。加えて飼い主に要求が多い印象。もう1つは、ちょっとシャイなのか自信が無いような素振り。 外と家では様子が大きく違うということで、一度訪問して家の環境と家での態度を見てからトレーニングメニューを作るしかないと思い、そう飼い主さんに提案をしました。 慣れた環境で見えてくる問題行動 すぐにでも来てほしいとのことで、翌日飼い主さんの家へ。呼び鈴を押そうとすると、愛犬が腰ぐらいの高さの窓から私を見て吠えています。無視をして呼び鈴を押すと、さらに強く吠え威嚇の唸りもし始めました。 この無駄ぼえは確かに酷いかも…と思いながら、なるべく愛犬を無視して飼い主さんと客間に行き話をしました。 まず無駄吠えの問題を解決する為に、なぜ小型犬が腰高の窓から顔を出せるのか聞きました。理由は、外が見れるように窓の下にイスを置いてあげているとのこと。飼い主さんの優しさからやっていることでした。 それを聞いて、最初の提案として、そのイスは撤去した方が良いと伝えました。 窓は交通量の多い正面道路に向いています。窓の外の動きや行き交う人が見えて刺激され、ポメラニアンは吠えていました。しかも窓越しから見ているので、行って確認したくても確認できず、唯一できることは尻尾を振りながら吠える事です。それに反応して人が寄ってくる→吠えたら構ってくれるんだと勘違いしてしまう。それでさらに吠えてしまうという悪循環が起きていました。理由を伝えると飼い主さんは「すぐ撤去します、ただ他にも問題があるんです。」 困った顔で飼い主さんは続けます「イスを撤去すると机に乗るんです。乗っているのを見て下そうとすると怒るんです。」ここでもう一つの問題点が浮上しました。 それは、家(群れ)のルールが無い事でした。この問題は、飼い主さんの一番の悩みである噛み癖の問題にも関連することです。最初の打開策として窓のあるこの部屋に一切入れさせない事にして様子見ることに。 犬の思い通りに行かない時に噛む 次に飼い主さんに「家のどこで、どんな状況でよく噛まれますか?」と聞くと、リビングへと通されました。 「テレビを見ている時やコタツでくつろいでいる時、物を動かしたり主人に物を渡したりする時に腕を噛まれるんです。息子も普通にコタツで寝そべってて愛犬が息子の上で寝ている時でも、息子が寝返りを打つと噛まれたりするんです」と言われ、リビングを見渡してみました。 ふと目に入ったのがコタツの後ろに置いてある2人がけのソファー。「このソファーは誰が使ってるんですか」と聞くと、「愛犬が使っています。私たちが座ると怒るので愛犬専用にしています。」とのこと。 「では、テレビとか見る時、人間はコタツで見てるんですか?」と続けて聞くと、その通り。さらに愛犬は夜もソファーで寝ているそう。部屋を見てみると犬用の扉もありました。 ここで私の疑いが確信へと変わりました。噛む問題はこのリビングに全て集中していて、飼い主が気づかないうちに犬と人間の立場が逆になってしまっていたのです。 リビングは人間の部屋ではなく愛犬の部屋になっていて、そこに入ってくる家族は犬から見るとゲスト。悪く言うと部外者の扱いです。犬は「自分の部屋で勝手な事をするのは許さないぞ」という立場で人間を見るようになり、それが時間と共に酷くなった結果、今では気に入らない事をされると犬は噛むという流れがリビングだけではなく家全体で起きてしまっていました。つまり、愛犬の「僕のルールに従わないと噛むよ」という流れが出来上がってしまていたのです。 そこで最初の提案として以下を伝えました。 ・ソファーを撤去してリビングに自由に出入り出来ないようにする。 ・愛犬をリビングに入れる場合は「よし」と許可を出してから入れる。 ・廊下に置いてある未使用のケージを彼の部屋にする。 伝えた後、リビングに入る時のトレーニングを行い、さらにケージを快適にしてケージトレーニングを行いました。最後にフードガードもトレーニングで解決。これから数日どうなるか様子を見て、もし噛まれたら連絡くださいと伝えて、その日のトレーニングは終わりました。 2週間ほど経っても連絡がなく、上手く行ってるのかなと思っていた時、突然電話が鳴りました。 出てみると「昨日の夜噛まれました…」 「どこでですか?」と聞くと、「リビングです。トレーニングの後、噛むこともなく良い子にしてたのですが、急に昨夜噛まれました。良い子にしていたのでソファーと出入り口を解放してたんです。」と飼い主さんは話します。 原因を無くすトレーニングから行動変容へ進路変更 話を聞いた後、ここでトレーニング法を「噛む原因を撤去」から「噛まないトレーニング」に変更。長年噛んで自分の意思を通してきた犬の噛み癖を治すのはかなり難しいので、まずは2泊スカイラボで預かり様子を見ることにしました。スカイラボに着くと、犬は飼い主がいないせいかちょっと緊張気味。話に聞いていたような普段の態度等は全く出ず、大人しくリビングで探索しながら過ごしていました。 緊張をほぐすため散歩に連れて行くと、少し素が出てきたので犬舎のケージに入れてあげて一人にしてあげました。30分後様子を見に行くと、ケージからは威嚇の「ウーーー」が聞こえ、近づくと牙を剥き出しながら吠えてきました。彼はケージを自分の物にした!と思ったようです。これでトレーニングができると思い、長い心理戦の戦いが始まりました。 犬の行動はそれぞれ意味がありますが、原因は様々で一つのトレーニング法ではみんながみんな変わることはできません。同じ犬種でも個性や性格、心理的状況が違うからです。スカイラボのスカイ、アイラ、ロナは同じ犬種で、中でもロナはスカイとアイラどちらともと血も繋がっていますが、得手不得手はそれぞれ違います。ロナは水が大好きで、冬でも冷たい水に飛び込んでおもちゃを回収しますが、スカイは水は大好きでも冷たいのが嫌いでなるべく入らない方法で遊びます。たまに風がおもちゃを陸まで運んでくれるまで待っていることもある程です。アイラはまた違って、他の犬が回収してきたおもちゃを途中で取りに行くのが好きで、1匹よりも他の犬と一緒に遊ぶのが楽しいようです。このように家族でもこんな違いが出るので、トレーニングをする時は犬一匹一匹を見ながら、その犬に合わせたトレーニングがとても大事なのです。 今回のポメラニアンは性格がすごく明るいわけではなく、どちらかというとちょっと怖がりさん。けれども家では強気に出てボスのように振る舞ってしまいますに。 それを踏まえてとった最初のトレーニング法は心理戦。トレーニングには「ダメ」と言ったりビックリさせたり、超音波トレーニングなど色々ありますが、この子に合うのは強く出過ぎない自然なトレーニングがベストと思いました。時にトレーニング法を間違えると噛み癖や吠え癖が酷くなるケースもあります。特にこの子は恐怖心から噛んでいる訳ではない上に、怖がりなので、変に恐怖心を与えるとそれがスイッチとなり悪化する可能性が高いと判断しました。 そこで、まずはいくら吠えても唸っても状況は変わらないというトレーニングから始めました。 犬の目を見つめながらケージに近づき、吠えても暴れても視線を外さず黙って見る。吠えているかぎり目線を外さず後退りもしない。犬は、長い場合は1時間以上吠え続けます。それでも一歩も譲りません。犬が疲れるまで、あるいは飽きるまでずっと近くで鋭く強い視線を送り続けます。 いつか吠えなくなるのでそのチャンスがくるまで耐えると信じ、40分が経過したところでポメラニアンは吠えるのをやめました。辞めた段階でケージから離れてあげます。 立ち上がろうとした時また吠え始めたので、また吠え止むまで目線を送りました。今度は10分位で吠え止みました。吠えるのを辞めたのでまた立ち上がろうしたらまた吠える、の繰り返しを数回やると、やっと吠えられずに2~3メートル離れる事ができました。 次に吠えると嫌な事が起きるということを教えていきます。 今までこのポメラニアンは吠えたり噛んだりすると人は遠ざかってくれる、と認識しているので、その逆を教えていきます。 ここまでやっと2~3メートル離れられるようになりましたが、それ以上離れると吠えられるので、逆に吠えていたらまたケージのそばま強い雰囲気を出しながら勢いよく近づきます。 それを距離を伸ばしながら数回続けると、やっと犬舎の外にまで出られるようになりました(約15メートル)。ここで吠えないで外に出られたので、ご褒美と休憩を兼ねて1時間一人にさせてあげました。 休憩後試しに犬舎に戻って近づいて見ると、一切吠えず大人しく座ってこっちを見ていました。よしと思いご褒美に散歩に連れて行こう、でもケージに触ったら噛むだろうな…と思いながらケージを開けようとした瞬間、また威嚇が始まりました。 完全に本気で噛みにきていましたが、ここでも譲れない戦いが始まりました。ただ先程のトレーニングのおかげで諦めが早くなり、暴れる時間は1分程度に短縮しました。 飼い主さんから本気噛みをすると聞いていたので、試しに噛んでも良い木の棒をケージの隙間に入れてみました。落ち着いている子であればここで何だろうと匂いを嗅いだり近寄ったりという反応をしますが、このポメラニアンは勢いよく棒にガブっと噛み付き、棒がミシミシと軋む音と振動が伝わってきました。本来噛むのは犬からの警告のため、犬は噛む時パッと噛んですぐ離すことが多いのですが、この子は噛む時間が長く、しかも本気中の本気…。以前中型犬の噛む度合いを見るために使ったのと同じような棒を使ったのですが、ポメラニアンの破壊力の方が上回っていました。 ポメラニアンはペットショップから購入したと聞いていたので、母親やきょうだい同士で噛む強さや噛んだら痛いことを学ぶ前に引き離されたんだろうなと思い、カルテを見ると2ヶ月で購入、出身地は県外でしかも遠方。生まれたところから競り、輸送、店舗での準備の時間などを逆算すると大体生後1ヶ月位で引き離されている…と親から離れたのが早過ぎたことがわかりました。 この本気噛みを受けて、次に噛む事を無効化するトレーニングを始めました。 ネット上では噛まれたら痛い事をし返す、あるいはマズルを持って頭を叩くなど色々書いてありますが、そこがネットの怖いところです。そのトレーニング法は古い手法で、今では虐待として見られます。しかも必ずしもネットに書いてあるトレーニング法はその子に合っているとは限りません。最悪の場合、その悪い癖を悪化してしまうことにもなります。 今回は無駄吠えの時のトレーニングが効くと分かったので、同じようなトレーニングをしました。 それはあえて噛ませて何もしない、という方法です。今までは噛めば自分の思うようにいったので、人間とのコミュニケーションの方法が噛む事、と噛む行為が当たり前になっていました。その行為が続いたため、人間にはこういう対応をすれば言うことを聞いてくれる、と信じ込んでいる状態です。それをトレーニングで覆す事が重要なポイントです。 普通、人は噛まれたらすぐ手を引いて下がると思いますが、今回は犬が諦めるまで噛ませます。もちろん本気噛みなので最初は手袋を使って様子を見る事をしました。ポメラニアンは大型犬と違って噛む力は衰えますが、小さい骨を砕くくらいの力はあります。さらに鋭い牙を持ってるのでちょっとでも噛まれたら人間の手は出血します。 ※このトレーニング法は非常に危険なので真似しないでください。 早速トレーニング開始。ケージに手を入れるとポメラニアンはすぐ噛むので、手袋をはめてケージを開けて手を入れました。手を入れると同時にガブ!手の甲を思い切り噛んで離しません。普段そこで人間から痛い!と手を引く反応があるはずが、いつもと反応が違うと思ったのか、もっと強く噛み直してきました。手の骨と筋肉が潰されていく…これ以上強く噛まれたらとまずいかも、と頭の中で考えつつ耐えました。数秒後何かおかしいと思ったのか、噛む力を段々弱くして最後はスッと離しました。離したので少し手を動かしてみるとまた噛んできました。ただこの時の噛んでいる時間は最初の半分、10秒程度で離してくれました。 何度か繰り返し、最終的には手を動かしても体を触っても噛まなくなり、次のステージにいく事ができました。それは手袋の素材、色形を変えることです。犬は物を判別する力があるので、今まで使ってきた黒い手袋をはめていると噛んでも意味がないとわかってしまいます。そのため、あえて全く違う手袋を使って再度挑戦する事が大事です。 早速コストコで買った革の黄色い手袋をはめて同じように手を入れました。案の定すぐ手を噛んできましたがほんの1、2秒程度でした。しかも甘噛み程度の力に弱まっています。 それを数回繰り返し、反応が無くなるまでやり続けました。今度は素手で挑戦…自分の手が出血してボロボロになっても、この犬が家族のパートナーとして過ごせるようになるのであれば安い代償だ、と思い手を入れました。入れた瞬間がぶっ!痛い!でもすぐやめました。お!いい反応だと思い、噛まれながら体を触ったりしていると噛むのをやめてくれました。今でも傷跡は残っていますが、ポメラニアンが変わった証として嬉しく思っています。 これで大体噛み癖と無駄吠えが治ったので、ケージの扉を開けてあげて犬舎内を自由に過ごせるようにしました。これで自由度が高くなり自信も出てくるので、最後のステージまできました。後もう一日必要だったので、飼い主に相談し1泊延長。最終ステージはグンとハードルを上げて、強がらなくて良いとう勉強です。 犬舎で自由に過ごせるようになると、自信もつきだんだん主張をするようになります。ドアを開けたら吠えたり、急な動きをしたら唸ったりと、ちょっと最初の頃と同じ状態にさせるのが狙いでした。そこで私以外でもちゃんとしないとダメだよと教えるため、母性本能の強いアイラと一緒に犬舎に入りました。するとポメラニアンはアイラにちょっとびっくりしながらも無視をして、私に向かって吠えてました。するとアイラが真っ先にポメラニアンに走り寄って吠え始めました。それにびっくりしたポメラニアンは吠えるのをやめ、驚いた様子で座っていました。でもまた動くと吠え始め、その合図と一緒にアイラがダメと教えての繰り返し。なかなかこのハードルを超えられないのでロナも参加。ロナはまだ若いので何が起きてるか分からない様子でしたが、だんだん状況がわかってきてアイラと一緒にトレーニングに参加しました。これで犬を含め3対1。立場がどんどん弱くなっていく中で、ポメラニアンも譲りません。最終的にはスカイを入れ総動員で最終訓練に挑みました。ちょっとでも吠えたり噛もうとしたらみんなで駆け寄り、群れ・家族のルールをちゃんと守ってと伝える。それを2時間ぐらい続けたら、やっと落ち着いて犬舎で動いたり走ったりしてもポメラニアンは怒らず普通に撫でても大丈夫な状態になりました。念のためケージの出入りの練習して人や犬の出入りを何回か繰り返して様子を見ましたが、今までの凶暴な反応はなくごく普通に過ごしていました。そこでパートナーである真希も部屋に入ってもらって様子を見ていましたが見事に無反応でした。 これでやっと自信を持って飼い主の元へ連れていけると思い、次の日長めの散歩に行ってから車に乗せて連れて行きました。さすがに疲れたのかポメラニアンは後部座席でぐっすり寝ていました。飼い主さんには最後に家のルールを守るようにして下さい、ソファーや犬用の扉も完全撤去して下さいと伝えて念を押しました。ただ今まで以上に愛情を注いでも受け止めてくれるので、どんどん良い部分を伸ばして家族の一員にして下さいと言いました。 また何かありましたらご連絡くださいと言って帰路につきました。 数日後、ラインで喜びのメッセージが届きました。すっかり落ち着いて家で過ごしています。頼んでもいない散歩も上手になって違う犬になった見たいと言ってくれて一件落着。 あれからもう2年も経ちますが噛まれたという連絡は全く来なくなりました。良かったー、と一安心です。 最後に愛情と優しさは愛犬にとって何より大切な物です。ただ犬の群れと同じようにお互いにしていいことと悪いことを理解して、そのルールの基で一緒に過ごすことも重要なことです。

  • 室内で犬と楽しく遊べるゲーム

    犬は人間同様、手持ちぶさたになると何かをやりたくなるものです。人間の大人はテレビを見たり携帯をさわってみたり、読書をしたりしますが、子供は時に大人が驚くようなイタズラをします。犬も子供のイタズラと同じように、手持ちぶさたになると自分のベッドをビリビリにしたりリビングのイスを噛み噛みしたり、ゴミ箱などをあさったりと何かやりたくてそういった事をやってしまいます。犬たちは悪気はないのですが、人間から見ると困った!となるかもしれません。特に今世界全体で大変な状況です。家にいる事が多くなる一方、ストレスを発散出来る機会が減ってしまいました。 そこで今回は、家でできる「犬と遊べるゲーム」を紹介いたします。 1.隠れん坊 (トレーニング不要) 待てができれば一人でも出来るゲームです。仮にできなくても誰かの手を借りて、隠れる時に愛犬を持って頂ければ大丈夫です。 1.愛犬に「待て」と言って自分は違う部屋のどこかに隠れます。 2.隠れたら一回名前を呼んで「おいで」と言い反応を待ちます。 3.犬が探し始めたら静かにして見つけられるまで待ちます。 4.途中で足音がしなくなったり探すのを諦めたらまた呼んであげる、の繰り返しです。 5.難易度を上げて押し入れの中に隠れたりコタツの中に隠れたりとアレンジすれば長く遊べます。 6.見つかったらいっぱい褒めてあげてまた隠れます。 すごいシンプルなゲームですがとても面白く、子供も楽しく遊べるのでおすすめです。 2.物を分別する (ちょっと練習が必要) 犬は2歳の子供くらい知力があり、単語も200個以上覚えられると言われています。次のゲームは、犬がいつも遊んでいるおもちゃに名前をつけて回収してもらうゲームです。 1.おもちゃ一つに名前をつけます。例:「赤いコング」 2.そのおもちゃだけで遊び、遊んでいる時そのおもちゃの名前を使って指示します。例:「赤いコングを投げるよ」「赤いコングを持って来て」「赤いコングそこにあるよ」 3.何回かやると犬も理解し始めますので、理解して来たかなと思ったら違うおもちゃを持って来て名前をつけてそれで同じく遊びます。 4.それも覚えたら赤いコングと一緒に遊びます。 5.待てと言って両方投げて欲しいおもちゃの名前を言って回収してもらいます。 6.間違えそうになったらはっきりとした声で「違う」あるいは「NO」と言って間違っている事を理解させます。 7.どんどんおもちゃを増やして難易度を高めていきます。 これをできるようになると、家の鍵やリモコンなどを教えて、家の中で無くした場合見つけてくれるかもしれません。*注意*車の鍵に電池等が入ってる事が多いので、鍵をおもちゃにして噛み噛みしない事を確認してください。 3.どれに入ってるかな? (すぐできる!) これもとてもシンプルなゲームですが、愛犬の表情を見ながら楽しめるゲームです。 1.好きなおもちゃを隠せる入れ物を三つ準備する。例:プラスチックのコップやダンボール 2.三つの入れ物の中に好きなおもちゃを入れて愛犬に「どーれだ」と言って選ばせる。 3.最初はどうすれば良いのかわからないと思いますが、何回か誘導して教えてあげればすぐ理解します。 4.上手く当てたらご褒美にそのおもちゃをあげるか投げてあげて褒めます。 5.上達したら入れ物を増やしたり、入れるフリをしたり色々と楽しめます。分別の遊びをわかってる子には全部の入れ物におもちゃを入れて分別させる事もできます。 4.あの人を見つけてゲーム(ちょっと練習が必要) これは家族全員でできるゲームで、子供たちだけでも気軽にできるゲームです。感覚としては隠れんぼに近い物ですが隠れんぼよりちょっと難しいかもしれません。 1.参加したい人を全員集めまて円を作ります。 2. 最初の人が犬にお父さんどこと言って指示を出します。 3.犬は多分どうすれば良いかわからないと思うので、そこでお父さんが犬を呼んでいっぱい褒めます。 4.それを家族全員で行い理解して来たと思ったら、呼ばずに誰々さんどこ?でちゃんとその人に行くか確認してください。犬がそれぞれの名前を理解したらOKです。 5.家族全員が好きな場所あるいは自分の部屋に行き、ゲームが始まります。 6.最初の人がお母さんどこ?と言って上手く見つけたら、お母さんがいっぱい褒めてあげて、次に探してほしい人を指定して犬に探してもらってください。 7.難易度を上げたい場合は、一度見つけてくれた人はそこから移動してまた探させることもできます。 8.間違った人を見つけたら無視してください。そこから動かなかったら、褒めずに違う人を指名していかせてあげてください。 5. 片付けて (練習が必要) おもちゃが好きな犬ほど家の中はおもちゃで散乱しています。そこで「片付けて」と言えば全部カゴや入れ物に戻してくれるゲーム兼トレーニングをしてみても良いと思います。 必要なコマンドは、持って帰ってくるコマンドと持って来た時に離してくれるコマンドです。 1.おもちゃの入れ物を用意する。大きいほど入れやすくなりますので買い物かごや洗濯バスケットとかがおすすめです。スカイラボでは買い物かごを使ってます。 2.好きなおもちゃを投げてあげて回収してもらいます。 3.それが出来れば、次は投げた瞬間片付けてと言って回収してもらってください。 4.持って帰って来たら離してのコマンドを言って、バスケットに落としてもらいます。 5.上手く入れる事が出来たら思いっきり褒めてあげます。 6.持って来たけどバスケットにうまく入らなかった、。指を指して片付けてと言ってもう一度拾ってもらって上手く入るまで頑張ります。 7.上手く入れられるようになれば、おもちゃの数を徐々に増やし繰り返します。 8.難易度を上げる場合は分別しながら片付けたり、家中におもちゃを隠して探させる事もできます。 9.全部回収できたらいっぱい褒めてあげてください。 6.室内アスレチック(トレーニング不要) これはダンボールや家にある物を利用してちょっとしたコースを作って犬と楽しめる遊びです。 工作等で立派なコースを子供と一緒に作れる事ができます。 コースの難易度は想像力次第です。 例えばダンボールで作ったトンネルを抜けてからおもちゃをカゴに入れて、そして障害物を飛び越えさせてから写真スポットでお座りしてからと色々と工夫して遊べる事が出来ます。 必要なのは一つ一つの場所で何をすれば良いかを教えるだけです。おもちゃを使って誘導したりして教えていけばすぐ理解してくれます。 色々と試してみて楽しいゲームです。 *注意*一歳以下の子犬は関節等がまだ出来上がってないので飛び降りたり激しい階段の上り下りは避けてください。 7.その他 一緒にゲームをしなくても、愛犬が楽しめるような刺激や夢中になるような遊びはあります。 1.いつものご飯の場所を変えてみる。例えば玄関、裏庭、ベランダ等 ちょっとした変化でもいつも慣れてる場所が変われば良い刺激にもなります。 2.フードの入れ物をおやつボールでたまにあげてみる * 3.寝場所を変えてみる(外からの風が入る場所で寝そべれば、気持ち良いのはもちろん、風が運んでくれる匂いもいい刺激になります) 4. 大好きなおもちゃをちょっと取りにくい場所に置く 5.犬用パズルで遊んでみる * *スカイラボではまだ実際に使っていません。耐久性などはまだ確認出来ていませんのでご了承ください。

  • 5ヶ月から8ヶ月は反抗期?!

    子犬は日々体格、性格、知能が成長します。 この時期は反抗期と言われる時期で、好奇心の塊である子犬に自信が付き、ルーティーンが定着します。飼い主とのコミュニケーションの取り方を再確認したり、どこまで何が許されるかを試してくる時でもあります。そのため、この期間は飼い主と犬との関係をつくる大事な時期です。信頼関係をしっかり作ることで、1歳を迎える頃には愛犬とあうんの呼吸で毎日を過ごせると思います。 まず、5ヶ月になるまでに以下の事ができている事か確認しましょう。 1.トイレのコントロールができている -トイレのコントロール(我慢)ができ失敗がほとんど無い。 -トイレのリズムが落ち着いた -トイレを外でもできるようになった(外でさせたい場合) 2.ケージに落ち着いて入っていられる、また夜はケージの中で静かに寝られる。 3.呼び戻しの基本ができている、またはある程度できてきた。 4.おすわりができる。 5.待てが大体できている(完璧ではなくて良い)。 6.散歩が上手になり、ほとんど引っ張らなくなった。 7.お風呂や爪切り(必要な場合)を経験している。 8.夜泣きや要求吠えが収まっている。 9.人間や他の犬に対する社会性を身につけてきた。 10.おもちゃで一緒に遊ぶ事ができる 11.甘噛みをしなくなった もしこの中で不安な点があれば、その項目を焦らず集中的にじっくりトレーニングをするのをおすすめします。 では、5ヶ月から何が変わるのか。 子犬は5ヶ月を迎える頃、今までのイケイケドンドンのエネルギッシュな感じからちょっと落ち着き、物事に対する分析や判別の力が増してきます。加えて、恐怖心も芽生えてきますので、知らないものや人への対応の仕方や、社会性を幼少期から伸ばす事が重要になります。早い段階から色々と経験させると落ち着いて対応ができるようになり、スムーズに物事を受け入れる事ができます。ただ、5ヶ月までに社会性を身につける事ができていなかった場合、新たに加わった感情である恐怖心と戦うことになり、新しい事になかなか慣れてくれない事があります。場合によっては恐怖心が強すぎて追い込まれてしまい、犬は「逃げる」か「戦う」かの2つの選択どちらかを選ばざるを得なくなってしまいます。逃げる場合は脱走、戦う場合は噛むという事なので社会性を身につけることはとても大切です。 また、恐怖心と同時に自信も付いてきます。もう慣れている環境では自信を持って怖がることなく探索をしたり、今までの経験を生かして新しい事にも挑戦していきます。 この恐怖心と自信、二つの要素が被る時期なので、飼い主の意思とは違うことをしてしまうこともあり、反抗期のような現象が起きます。 反抗期でよく見られる行動は色々あります。 例えば、今まで呼び戻しができていたのに今は全く聞かない、呼んでも来ず犬が満足してからくるといったこと。「ハウス」や「ケージ」と言っても以前のようにすんなり入ってくれない、入ってはダメな場所に今まで入らなかったのに入るようになった等。基本的にコマンドを聞かなくなってしまう事が多いです。 ここを乗り越えるために重要な鍵は「メリハリ」です。ダメな事と良い事をはっきりさせる事が大事です。ただここで忘れがちなのが褒める事の大切さです。「ダメ」と言い続けるのではなく、良い事をした時にはいっぱい褒めてあげる事がメリハリの大きなポイントになります。 例えば本来乗ってはいけないソファーに勝手に乗ってしまった場合、低い声で冷静に「ダメ」と言い、降りてというコマンドでソファーから降りるまで指示をしてあげてください。子犬もそのダメな雰囲気を感じて降りてくれるので、降りた瞬間思いっきり褒めてあげてください。どうしても降りない場合は好きなおもちゃで誘導して、降りたらすぐ褒めながらそのおもちゃで遊んでください。 次に呼び戻しが効かない場合、庭など塀で囲まれている脱走できない安全な場所で遊んでみてください。そこで呼んでみてすぐ来ない場合は、しゃがんで楽しそうな雰囲気で「おいで」を何回か言ってください。基本来るまで諦めないのがポイントです。仮に来ないからと言って犬の方に駆け寄る事は絶対しないでください。呼ばれてるけどこっちに来るまで遊んでよう、と犬は思うようになってしまいます。 もし楽しく「おいで」と言っても来ない場合は「おいで」と言いながら犬から背を向けて離れ、犬を置き去りにするようにしてください。 そうすると犬は「置いてかれる!」と思い急いで後を追って来ます。来たらいっぱい褒めてあげて遊びを再開してください。 ここで「おいで」を無視すると置いていかれる=嫌な事が起きるということと、「おいで」と呼ばれた時に行けば構ってくれる=いい事が起きるという2つを犬は覚えてくれます。 これを何度でもできるまでやれば、将来お互いに安心して色んな場所へ一緒に行く事ができます。 コマンドで縛られていて可哀想ではなく、コマンドがあるから逆に自由度が高くなると思ってください。 例えばスカイラボでは、スカイたちは基本的には家中自由に動き回れますが、人の出入りがあっても飛び出さないトレーニングをしてあります。万が一飛び出してしまっても「おいで」で戻ってくるので、安心して自由に過ごしてもらえます。 逆に飛び出すかもしれない、または飛び出したら帰ってこないという場合は、来客者があるとどこかに繋げるかケージに入れるかをしないといけなくなり、出入りがある限り自由度が減ってしまいます。 それを踏まえ、今まで教えてきた事を復習しながら強化していくのが大事です。 「おすわり」と言っておすわりをしなかったら、「あー今日はそんな気分じゃないのか、まあいいや」ではなくちゃんとおすわりして褒めるところまでやるのが重要です。もし途中で諦めてしまうと、愛犬はこのコマンドは無視してもいいんだと思ってしまいます。 この徹底した対応は家族全員で同じようにする事も大切です。一人でもコマンドの無視を許す人がいるとなかなか定着しません。 人間の子供もそうですが、いつも嫌いな野菜を食べるように促していても、おじいちゃんおばあちゃんの家では食べなくて良いとわかれば、そんなに頑張って野菜を食べる必要は無いんだと思って、食卓でもより拒絶反応をしたりします。 小型犬でよく見られるのが、この5ヶ月~8ヶ月の時期に、散歩を嫌がったり途中で座り込んでしまった時に抱き上げてしまうケースです。それをしてしまうと、犬は散歩を嫌がる/座り込むと抱っこをしてくれる、と覚えてしまい、抱っこをしてもらうために散歩を拒否してしまったりします。それが定着してしまうとなかなか散歩は上手くいきません。 犬が座り込んだ場合は一定の力(引きずらない程度)で行きたい方向へ引っ張れば、そのうち諦めて歩いてくれます。ただ体に痛みがあったり体調が悪い時犬は座り込んだりしますので、気になる方は獣医さんに相談してからトレーニングを行ってください。 この反抗期と呼ばれる時期は成犬に向けての第一歩でありとても重要です。これまで以上に楽しく愛犬と過ごすために、家、家族そして社会のルールを理解させる事が重要です。 子犬の時から心が折れそうなくらい大変な時もあったと思います。ここを愛犬と一緒に楽しく乗り越えれば、お互いの信頼が増して今まで以上にパートナーになれると思います。そしてパピーらしさの最後の時期とも言えますので、楽しみながら一緒に過ごしてください。

  • なんで食糞するの?

    スカイラボで相談されるお悩みの中で、多い悩みの1つは食糞問題です。 食糞する理由は大きく2つあります。 1) 自分の住処を綺麗に保ちたいから 犬は基本的に生活してる空間を綺麗に保ちたい生き物です。おしっこの場合、トイレシーツのおかげで匂い等を押さえられるので、例え自分のベッドの横にトイレを置いても気にならないですが、ウンチの場合はシーツに吸収されないので匂いが犬にとってはもちろん人にとっても気になります。 それで、止むを得ず何とか処理しようという意識で食べてしまう事が多いのです。 2)フード自体に原因がある、またはおやつに原因がある(最も当てはまる原因) 意外と良いと思われている、動物病院に置いてあるような有名ブランド等に、食糞に繋がる原料が入っているケースが多いです。 主に添加物や着色料が原因で、そういったものは犬が消化しきれないまま出て来てしまいます。ウンチの中にその成分が残っていることで、フードの匂いがしてまだ食べられると勘違いして食べてしまったり、遊んでしまったり、大事に隠したりしてしまいます。 そもそも着色料は犬の為ではなくそのフードを買う人間が美味しそうに見えるように色を付けているだけです。 添加物は匂いや風味を増やすために足したり、フードそのものを固めやすくしたりするために足したりします。そのためウンチに風味が残ったりしてまだ食べられると勘違いする犬も多いです。 フードの解決策 より良い無添加のフードに切り替えるだけで食糞が治るケースが多いです。ただし、フード以外におやつをかをあげている場合は、おやつにも着色料は添加物が入っている可能性が高いので(特に国産品は注意)なるべくフードだけにしてあげると食糞問題が解決する傾向にあります。どうしてもあげたい場合はフードをおやつがわりにするか、天然のジャーキー等をあげるのがおすすめです。 最後に、必ずしもそうではありませんが、より良いフードは値段と比例する事が多いです。ただ、それはそれなりにしっかりとした原材料使ってる事が多く、今では、”ヒューマングレード”人間の食品に使われるレベルで管理された品質の原材料を使っているフードもよく見るようになりました。 今までかかっていた食費が何倍になっても、健康で病院いらずな日々を送ってくれるのであれば、それは安い代償だと思います。 また、フードはトレーニングの1つと言われるほど犬にとって大切なファクターです。他のトレーナーも言っていましたが、意外とフードを変えただけで犬の問題行動が改善されるケースも多いです。実際にスカイラボでフードを切り替えた方の中には、フードに犬が興奮しやすくなるような成分が入っていて、フードを変えたことで穏やかになり問題行動が激減したということもありました。 フードを買う際には後ろの成分表を確認して、どんなものが入っているのか確認してから買うことが大切です。

  • 犬と一緒に常に学ぶ姿勢を大事に

    ドッグトレーナーだから何でも知ってる訳ではありません。ドッグトレーニング自体、時間と共に変化していきます。時には科学の進歩で今まで良いと思っていた事が覆されたり、犬への理解が深まることで違ったアプローチ方法ができたりします。現在色々な飼い方やトレーニングの仕方がありますが、犬はそれぞれ違うということを念頭に置きながら、犬一頭一頭にとって、ベストなトレーニング方法は何か考えながら勉強したり取り入れたりしています。 スカイラボでは犬に関する書籍を積極的に読んで、海外の新しい情報(映像、本、ブログ、グッズ、おもちゃ)を好奇心を持ちながら見ています。その中で最近読んだ・読もうと思っている本をご紹介します。 グルーマーに必要な「問題犬を扱う」テクニック: 震える・暴れる・噛む・吠える理由を知れば、犬ともっと仲良くなれる (世界のドッグスペシャリスト) ドッグトレーナーとして、良いグルーマーさんには頭が上がらないのが正直なところです。トレーナーは問題行動を起こす前にその行動を止めるのが仕事で、他人や飼い主、自分自身や犬自身を危険にさらす事をなるべく防ぐのが仕事です。グルーマーさんはカット(健康状態チェックも含む)をするのが仕事で、触ると怒る犬にも対応しないといけないのです。それを短時間で犬にとっても人にとっても安全にこなせるグルーマーさんたちは、知識と対応力が無いと出来ない仕事で、まさに犬のプロと言っても過言ではないと思います。 この本は、様々な問題行動と言われる犬の行動の原因と解決法をイラストを交えながら分かりやすく書いてくれています。犬がただ悪いわけではなく、犬を取り巻く環境や飼い主の接し方、心理的状況による問題行動行動の原因も説明されていて、勉強になります。もちろんトリミング方法とかも書いてあります。 愛犬と20年いっしょに暮らせる本 ―いまから間に合うおうちケア 愛犬を飼ってる上で誰もが一度は考えるであろう、愛犬の健康に関する本です。東洋医学を軸にした、おうちで出来るケアの仕方や食事の事もわかりやすく記載されています。 スカイラボではこの本から学んだことも積極的に取り入れています。この本を借りる事もできますので立ち寄った際お気軽にご覧ください。 動物の精神科医"が教える 犬の咬みグセ解決塾 この本は最初スカイラボの利用者のために購入した本です。 噛み癖には色々な原因があり対応法も違うということを細かく書いてくれています。 実際に噛む原因が分かってトレーニングの自信がついたと言う飼い主もいました。 この本は何より飼い主の勉強になります。 愛犬のためのホリスティック食材事典 スカイラボではドライフードしかあげていませんが、必要に迫られた時に備えて手作りも出来るよう日々勉強しています。例え今後作る機会がなくても、今のフードの原材料を見てどんな栄養が入っているか知るのも愛犬の健康のために大切です。 この本ではどんな栄養がどの食材に入ってるかや五味、帰経、五性、どんな効果があるのかイラスト付きで分かりやすく掲載しています。 手作りご飯は細かく栄養バランスを考えて作らないと逆効果になってしまうこともあるので、犬にとって何が必要か知ることのできる本です。 Gone Walkabout: Confessions of a New York City Dog Walker こちらの本は英語版しかないのですが、ニューヨークで散歩代行で生計を立てる主人公とお散歩に出かける犬達、そしてその飼い主の記録です とても明るい感じで気軽に読める本ですが、所々考えさせられる場面も。犬に関する事業をしている方に特におすすめしたい一冊です。 狩猟の本は、近い将来ロナが鳥猟犬として活躍できるよう資格を取ろうとしています。とりあえず罠猟免許は取得しましたが、次は猟銃の免許…そもそも今年は試験を開催できるのかな? 最後に、この記事を書いてる間、リンクを貼るためにアマゾンを見ていましたが、その時気になった本、思わず買ってしまった本です。

  • 保管、訓練、販売ー動物取扱業の登録について

    スカイラボに訪れるお客さまから時々、受付の後ろに飾ってあるものは何ですか?と聞かれます。 詳しく話すと時間がかかってしまうのでいつも手短かに説明しているのですが、今回はブログで詳しくお話ししたいと思います。 まず、第一種動物取扱業者のとして登録するためには、以下の3つの条件のうち、最低1つに該当する必要があります。 1. 動物取扱業の種別ごとに6ヶ月以上の実務経験があること。 2. 動物取扱業の種別に纏わる知識及び技術について1年間以上教育する学校法人その他の教育機関を卒業してること。 3.所定の資格を取得している者。 登録するときは7つの業種から当てはまる営業の項目を選択し、さらに水準を満たしてるかどうか厚生センターによる施設の立ち入り検査が行われます。 立ち入り検査では個々の動物に適切な広さや空間を確保しているか、動物の脱走防止に配慮しているか、必要な設備が調ってるか等を見られます。(詳しくこちら) 厚生センターの職員に色々細かく見てもらい、時にはアドバイスをもらいます。 上の写真で今ロナが居る柵や、古民家の引き戸につける鍵についてもアドバイスをもらって作りました。 先述した7つの業種には販売、保管、貸し出し、訓練、展示、競りあっせん業、譲受飼養業があります。 1.販売 動物の小売り及び卸売り並びにそれらを目的とした繁殖または輸出入を行う業 (その取り次ぎまたは代理を含む) ◇小売業者 ◇卸売業者 ◇販売目的の繁殖または輸入を行う者 ◇露天等における販売のための動物の飼養業者 2. 保管 保管を目的に顧客の動物を預かる業 ◇ペットホテル業者(一時預かり含む犬のお預かり全般) ◇美容業者(動物を預かる場合) ◇ペットのシッター 3.貸出し 愛玩、撮影、繁殖その他の目的で動物を貸し出す業 ◇ペットレンタル業者 ◇映画等のタレント・撮影モデル・繁殖用等の動物派遣業者 4.訓練 顧客の動物の訓練を行う業 ◇動物の訓練・調教業者 ◇出張訓練業者 5.展示 動物を見せる業(動物とのふれあいの提供を含む) ◇動物園 ◇水族館 ◇移動動物園 ◇動物サーカス ◇動物ふれあいパーク ◇乗馬施設 ◇アニマルセラピー業者(「ふれあい」を目的とする場合) 6.競りあっせん業 動物の売買をしようとする者のあっせんを会場を設けて競りの方法により行うこと ◇動物オークション(会場を設けて行う場合) 7.譲受飼養業 有償で動物を譲り受けて飼養を行うこと ◇老犬老猫ホーム スカイラボでは訓練、保管と販売を所持していますが、将来老犬ホームのために譲受飼養業を、アニマルセラピーのために展示を登録したいと考えています。 登録したからそれで終わりではなく、その水準を保つべく毎年行われる講習に出席し、定期的に立入検査があります(立入検査は自治体によります)。 動物愛護法も日々進化しているので当然私たちもそれに沿って行く必要があります。 無登録営業には気を付けて 近年インターネットサービスの普及で登録をしてない無登録営業でのトラブル等の事もよく聞きます。まれに登録をしているが業種外のことをしてる事もあります。例えば販売の登録なのに貸し出しをしている、展示の登録なのに保管もしている等ありますが、動物取扱責任者としてきちんと登録する事が大事です。 大切な愛犬を預ける際にはちゃんと登録してるか確認をする事が、愛犬のためでもあり飼い主の責任でもあります。 という事でスカイラボの登録はこちら その他にブリーダーとしてJKCの会員でもあります。今まで巣立ったスカイファミリーの子達はJKCの血統書がありますが、血統書はその子の性格などバックグラウンドを知る一つの手がかりになります。発行にはお父さん(スカイ)のDNAと国際犬舎登録が必要なのでその二つも飾っています。

  • コロナウイルスに感染して入院する事になったら、愛犬はどうすれば良いですか?

    コロナウイルスに感染して入院することになった場合、愛犬の世話をどうしたら良いのか、問い合わせが増えてきています。私たちもスカイたちの飼い主として考えない日はありません。 まずコロナウイルスに対する予防をする事が一番の対策です。三密を避けて手洗い、うがい等の対策を万全にする事が何より大切です。 コロナウイルスに感染して入院する事になったら、愛犬はどうすれば良いですか? コロナウイルスに感染してしまった場合、愛犬の世話などはどうすれば良いか、管轄の厚生センターや県庁に問い合わせてみました。海外ではペットも濃厚接触者として扱われ、最低でも2週間は保健所等で隔離措置を取るところもあります。実際に香港では33頭の犬と17匹の猫が保健所で預かられていたそうです。参考記事:33 dogs and 17 cats housed in quarantine facility(英語) 県や厚生センターではどのように対応しているか聞いたところ、濃厚接触者として保健所等で預かるようなことはやっていないので、家族で見るようにしてください、とのことでした。厚生センターからの回答では、家族は濃厚接触者になるので外出できないから、犬の面倒は見ることができるはずと強く言われてしました。。。 色々と調べて、現時点で出ている情報の中で参考になったのは東京都獣医師会の4月8日時点の情報です。 私は新型コロナウイルスに感染しました。ペット(犬猫)とどう接すればいいですか? A.あなたが入院される場合は、ご家族など、他にペットの世話をしてくださる方がいらっしゃるようで したら、その方にお世話をお願いしてください。 ※ 2020.04.06「新型コロナウイルスに感染した人がかっているペットを預かるために知っておき たいこと(Ver.1)」参照 ・自宅で療養される場合にはペットの体表にウイルスが付着しないようにするために、療養中の部屋 にペットを出入りさせないようにしてください。 また、汚染したマスクやリネン類にペットが接触しないように注意してください。 ・ご自宅で世話することができないようでしたら、信頼できる方になるべく早くお預けする方が良い と考えます。 ・ご家族が自宅でお世話する場合も、どなたかに預ける場合も、ペットの体表などを介して感染伝播 させないため、ペットはシャンプーすることが望ましいと考えます。 ・シャンプーをする場合は、お湯が出る勢いを弱くして、毛に当たったお湯がご自身を含む周りに飛び 散らないよう工夫するといいでしょう。 ていねいにお湯で流したあと、シャンプーをしてください。 シャンプー後、ペットを拭いたタオルは一般的な家庭用洗剤で洗濯してください。 ・世話する方にペットをお渡しする際には、キャリーバッグや首輪、リードなどは、0.05%に薄めた 家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、塩素を拭き取るためにもう一度水拭きしてください。 ・洗濯や消毒などの注意は以下をご参考下さい。 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000601721.pdf ・ペットとの別れが辛いからといっても我慢して、抱きしめたりしないよう注意してくださいね。 ・他にお世話をしてくださる方がいらっしゃらず、ご自身が無症状・軽症である場合には、ご自身でお 世話して頂きたいですが、ご自身から他の方に感染拡大しないように、またペットの体表などに付着 したウイルスが、他の方の感染源とならないよう注意が必要です。 ご存知のように、現在日本ではペットのコロナ対策についてはまだ足並みが揃っていないようで、各団体や自治体によって対応が変わる可能性があります。 海外では飼い主が感染した場合、そのペットは二週間保健所で預かるなどのガイドラインがありますが、まだ日本ではそのようなシステムはありません。 スカイラボで預かって頂けますか? 私たちも飼い主として、何かあった場合の犬たちの世話について考えてしまいます。スカイラボへも、自分が入院することになった際愛犬を預ける先はどうしたら良いのか不安に感じているなど、問い合わせも増えています。 スカイラボではコロナウイルスへの対策として、2部屋別棟にお預かりの部屋を設けました。その部屋は、他の犬や人間との接触を避ける為、母屋ではなく庭を挟んだ独立した別棟にあり、それぞれ外から出入りする形の部屋です。 ただ2部屋しかないので、心苦しいのですが、愛犬のお世話をできる人が誰もいないなど、どうしても預かってもらわないといけない場合のご利用をお願いします。 また、お預かりにあたっては下記を条件とします。 他の家族、人や動物病院に預けられない場合 飼い主の入院が決まっていてお世話ができない場合 2週間以上預けても大丈夫な犬 シャンプーや消毒のための手入れを嫌がらない犬 狂犬病注射とワクチンの、それぞれ1年以内の証明書がある犬 東京都獣医師会の「新型コロナウイルスに感染した人がかっているペットを預かるために知っておき たいこと(Ver.1)」沿って預けられる方 ※予約時の状況に応じて、条件が変更・追加されることがあります。ご了承ください。 状況は刻々と変わっていますが、スカイラボでは海外の事例なども参考にしながら、感染拡大防止に配慮をして、状況に合わせてお預かりの体制を整えていきたいと思います。 ご不明な点などありましたら、メールまたは電話にてお問い合わせください。

  • オンラインしつけ相談始めました!

    4月も半ばになり近くの畑ではたくさんのチューリップが色鮮やかに咲いています。 外出自粛が続く中、愛犬と過ごす時間が増えると同時にしつけについての相談も増えてきました。 「無駄吠えが気になる」 「家の中でどうやって遊んだら良いか」 「落ち着いてくれない」 「基本のしつけについて知りたい」…など、様々なお悩みがあると思います。 そこでスカイラボでは、zoomを使ったオンラインしつけ相談を始めます。 ご希望の時間は毎日朝の9時から20時までの間で1時間枠ごとに選んでいただきます。 所用時間は45分〜1時間程度の予定で、料金は1回1000円です。 お支払いはクレジットカードにて承ります。 ご予約はホームページの予約ページ、またはメールよりお願い致します。 ※スマートフォン、タブレット、パソコンのいずれかの端末をご用意ください。カメラ付きですとより良いです。 家で愛犬と過ごす時間が少しでもより楽しい時間になってくれたら嬉しいです。 気になることなど何でもお気軽にご相談ください。

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